全国各地から「名ばかり管理職」の相談多数寄せられる
4月13日の日曜日、NPO法人労働相談センターは「名ばかり管理職」集中労働相談を実施しました。
当日は正午の受付開始前に電話がなり始め、11名のスタッフは対応に追われました。
当日寄せられた相談は電話だけで63件。メールも合わせると100件近くになりました。
「息子が働きすぎで死にそう。何とかしてほしい」「朝の6時から夜の10時まで働くが、役職手当のみで残業代が支払われない。賃金は手取りで平均20万円」「明け方の5時に出かけ、帰ってくるのは夜中の1時。休日もろくに取れない。店長ということで残業代も支払われない」など、深刻な相談が寄せられ、この「名ばかり管理職」問題がいかに広がっているか、長時間労働をさせるためのシステムとして機能しているかがあらためて浮き彫りになりました。
当日の模様がNHK、テレビ東京のニュースで紹介されました。
映像はこちら。
NHKテレビニュース(動画)の内容は以下の通りです。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014165621000.html
4月23日 13時57分
「十分な権限がないのに管理職として扱われ、残業代が支払われない「名ばかり管理職」が問題となっているなか、滋賀県の県立成人病センターで28人の医師がこの「名ばかり管理職」の状態に置かれているとして、労働基準監督署が是正勧告をしていたことがわかりました。
滋賀県守山市にある滋賀県立成人病センターは、主に生活習慣病の治療を行う地域の拠点病院です。院長以下77人の常勤の医師がいて、このうち28人が部長で管理職とされています。成人病センターによりますと、内部告発を受けた大津労働基準監督署が今月11日に立ち入り調査をし、28人の部長の医師は、自分の勤務を管理する権限がなく、毎日5時間程度の残業を強いられる人が多いのに、残業代が支払われない「名ばかり管理職」の状況に置かれていると判断したということです。そして成人病センターに対し、実態に見合った賃金を支払うよう是正勧告を行いました。滋賀県立成人病センターの那須安穂事務局長は「県立病院としては適正な労務管理をしなければならず、勧告を厳粛に受け止め、取り組んでいきたい」と話しています。「名ばかり管理職」をめぐっては、自分は管理職には当たらないとして残業代の支払いを求める裁判が各地で起きているほか、企業の中にも管理職制度を見直す動きが出ています。」