写真=東京都・事業団とユニオンとの第3回団交のようす
東京都・事業団は虐待児童の心のケアに責任を持ってください!
私たち全国一般東京東部労組・臨床心理士ユニオンは本日(6月26日)、ユニオンの主なメンバーが働いている東京都の児童養護施設を管理する社会福祉法人東京都社会福祉事業団との第3回団体交渉を、東京・高田馬場にある事業団の会議室で持ちました。
ユニオン側からは木村委員長をはじめ支部メンバー8人と本部3人の計11人が出席しました。事業団側は高島副参事、大場事務局次長ら4人でした。
この日の団交では、事業団側が導入を計画している心理職の「契約職員」化について議論が集中しました。事業団側は現状1年の契約期間が3年間の契約に変わるので心理職の待遇改善につながる、と説明しました。
しかし、現実は待遇改善どころか待遇悪化になるとの懸念があります。事業団が考えている月21日の契約職員の時給を試算すると1100円ほど、ボーナスを含めても1360円ほどです。これは事業団の心理職で月16日働いている非常勤職員にとっては時給1500円ほどの現状から大きな賃下げにつながります。
勤務日数が増えることによって他の仕事をかけ持ちすることが難しくなるため、心理職の生活をいっそう苦しませることは想像に難くありません。
さらに問題なのは、契約職員化に伴って現状の心理職2人態勢(非常勤1人+臨時1人)を1人に減らす方向で考えている点です。入所者に占める虐待児童の割合が増すなかで、そうした子供に心のケアを手厚くやっていくべきだという時代のすう勢や市民の要望に逆行するやり方です。事業団も入っている全国社会福祉協議会が国に心理職員の「複数配置」を求めていることとも矛盾します。
ユニオンメンバーからは「こんな労働条件と人員態勢では利用者(子供)へのサービスを安定的に提供できないではないか」と怒りや不安の声があがりました。事業団の施設では10年で21人もの心理職が退職に追い込まれているのです。その結果、どれだけ子供たちにしわ寄せを与えているかを切々と訴えました。
「虐待児童は親から見捨てられるという経験をしてきたのに、心理職員がころころ変わるというのは施設でも同じ目にあっていると受け取る。どうせ大人は見捨てるんだ、自分は価値のない人間なんだ、という感じに思ってしまう。私たちもなぜ10年以上もこんな低い待遇で仕事をやっているのか馬鹿らしくなることもある。しかし、施設を去ることはできない。子供を見捨てたくないからだ。子供を人質にとって低い待遇で心理職に仕事をさせ続けている事業団のやり方を改めてほしい。現場の子供に向き合ってほしい」
「事業団は民間施設と比べても処遇が難しい子供を受け入れているのに、ベテランの心理士に来てもらえる水準の雇用条件ではない」「10年勤務してきて仕事は大変になっているのに給料が減らされている。職員の『やる気』が薄らぐことはサービス低下につながることをきちんと考えてほしい」「なぜ同じ仕事をしているのに臨時職員の交通費が実費で出ないのか。実態を調査してほしい」「事業団の管理職を増やす予算があるのに、なぜ現場の非常勤職員の待遇はいっこうに上がらないのか」「東京都からの予算がつかないと言っているが、事業団がどこまで現場の声を必死に要望してくれたのかが見えてこない」
こうしたユニオン側の声に対して、事業団側は「子供第一という立場は事業団も同じ。そうした点から何ができるのか、今後検討して東京都に要望していきたい」と話しました。
事業団から東京都への予算要求は秋口とのことです。心のケアを必要としている子供たちのためにも心理職の待遇改善を事業団内外で求めていきましょう!
今、労働界で問題になっていることを
そのまま「社会福祉法人」がやってる。
しかも運営してるのは「児童養護施設」。
なんだかショック…。