阪急トラベルサポートは所属添乗員に対し、「アサインされたツアーのない期間」(形式上の雇用契約のない期間)についての休業補償(「みなし休業補償」)を行う、と発表しました。
5月28日に行われた団体交渉で、東部労組HTS支部は「みなし休業補償」を行うこと自体については評価したものの、「みなし休業補償」のための契約の内容につき、金額算定の根拠となっている「契約日数」に「打ち合わせ・精算業務」の日数が算入されていないことに加え、日数のカウントが2日刻みとなっており、実際に算出した6ヵ月の全添乗平均実日数に切り捨てが発生すること、ベースとなる時間単価が実際の添乗時の時給より低額となっていることなどについて修正を求め、添乗員の労働の実態にそった休業補償とするよう求めました。
また、
会社は6月16日、組合が求めた修正点についていずれも「実現は難しい」との趣旨で拒否回答をしてきました。
組合が問題としているのは添乗員の生活保障です。
HTS支部大島組合員を会社の基準にあてはめると、支払われる「みなし休業補償」5月分は約12万円となります。ここから社会保険料・税金等が控除されると手取りは10万円を割り込みます。添乗業務の再開が見通せない中、生活への懸念はいまだ払拭できません。
さらに問題なのは、大島組合員でいえば会社から支払われる「みなし休業補償」より雇用保険の失業給付の金額の方が高水準となる、ということです。組合のシミュレーションでは、大島組合員が仮に離職した場合の失業給付の金額は約16万円となりました。
会社にその意図はないとしても、失業給付の額が休業補償の額を上回ることにより、結果的に労働者を離職に誘導するようなことがあってはなりません。
「休業補償で生活できないのであれば退職して失業給付を受ければいい」。このような考えが企業の根底にあるとすれば、それは企業の雇用責任、社会的責任を放棄していると言わざるを得ません。
「みなし休業補償が出るだけまだいい」ということにはなりません。
休業補償・労基法第26条の休業手当は「企業・経営者には労働者の生活を保障する責任がある」という趣旨の規定であるはずです。
HTS支部は6月19日、これらの点につき是正を求める要求書を会社に提出しました。
阪急トラベルサポートは添乗員の実態に即した「みなし休業補償」を行うべきです!
全国の派遣添乗員のみなさん!
添乗員の生活保障に資する「みなし休業補償」をみなさんの会社でも実現させていきましょう!
ぜひ東部労組・HTS支部にご相談ください!
【連絡先】
電話03-3604-5983/03-3604-1294
mail:info@toburoso.org