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阪急トラベルサポート添乗員労働組合(第二組合)のビラを批判する

2009年04月29日 10時34分59秒 | 添乗員・旅行業界

阪急トラベルサポート添乗員労働組合(第二組合、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会)は4月14日付でビラ「阪急トラベルサポート添乗員労働組合組合速報」PDF版はこちらを発行。そこで「『週刊金曜日』記事についての執行部見解」を表明しました。
実質、東部労組HTS支部塩田委員長への「アサイン停止」=事実上の解雇についての見解です。

その「見解」の内容は、会社が塩田さん処分の理由としているものとほぼ同じ。週刊金曜日の記事を
「HTSの仕事が原因で亡くなった方がいるかのように誤解させる」
「添乗員の賃金水準など一部事実に反する内容が書かれています」
「記事を読んだ人は、HTSに勤めていると殺されかねないのか、と受け取る」
と多くの人に一方的に主張・配布しています。

このような塩田さんの処分を是とするような、あるいは週刊金曜日の記事を「虚偽」「名誉毀損」「業務妨害」とする会社と同じような論調のビラに対し、私たち東部労組は満腔の怒りをもって以下の要旨で抗議文を4月28日、阪急トラベルサポート添乗員労働組合とその上部団体(サービス連合)に発送しました。

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2009年4月14日付阪急トラベルサポート添乗員労働組合発行ビラ「『週刊金曜日』記事についての執行部見解」への抗議及び申し入れ書

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会傘下の阪急トラベルサポート添乗員労働組合が2009年4月14日付にて発行したビラ「阪急トラベルサポート添乗員労働組合 組合速報」での見解(以下「見解」という)につき、強く抗議するとともに、同見解の事実確認のため、下記の通り申し入れます。


<はじめに>
1.そもそも、労働組合本来の目的とは「労働者の生活と権利を守る」ことであり、まさに今、当労組塩田委員長が後述する不当な理由で、組合活動を理由に事実上の解雇処分を受けていることは周知の事実です。そのような解雇攻撃・不当労働行為に対して、労働組合が真っ先にすることは、解雇されている労働者を職場に戻すために闘うことなのではないでしょうか。「一人のクビ切りも許さない」。これが労働者を守る労働組合の依って立つべきスタンスのはずです。

2.今回の塩田さんへの「アサイン停止」は、当労組の活動を嫌悪した会社が、雑誌の取材に応じた支部の執行委員長である塩田さんを、会社に対する誹謗・中傷を行ったとの口実のもとに、添乗業務の割り当てを無期限に停止する処分をなし、もって当労組HTS支部の活動の弱体化を図った不当労働行為です。
 
今回のアサイン停止処分の異常さは、会社が一方で「週刊金曜日」の記事を誹謗・中傷であるとしつつも、①雑誌の記事の発言引用部分ではない記者が書いた文章をとらえて、塩田さんの発言であると決め付けたこと、②右決め付けにあたって、雑誌からも塩田さんからも一切の事情聴取も調査も行わなかったこと、③問題とされる文章についての検証を何もしていないことの3点に集約されます。
 
発行主体に対して責任の追及はおろか、問い合わせさえせず、本人からも事情を聴くこともなく、性急に事実上の解雇をしたという事実だけからも、会社の強固な不当労働行為意思が認められるのです。
貴労組は見解において、「執行部で議論し」と述べていますが、このような経緯を確認した上で、詳細に検討した上で見解を表明しているのでしょうか。万が一そのような詳細な検討をせず、独自の調査もせず、会社が発する一方的な情報を鵜呑みにしてかかる見解を表明しているとすれば、それは労働組合としての独立性を失っているばかりか、不当解雇・不当労働行為と闘う労働者への「利敵行為」であると言わざるを得ませんし、それを一方的に添乗員間に流布することで当労組の弱体化を図るという点で、また、塩田さんへの不当解雇処分を正当化するという点で、会社の不当労働行為に荷担していると言わざるを得ません。そのようなことをして、また会社における添乗員間の離間を促進して一体どうなるのでしょうか。また誰がそれを喜ぶのでしょうか。
 
以下、貴労組が問題にしている2009年2月20日付「週刊金曜日」の記事(以下「当該記事」という)の事実関係を検証します。
 
<事実関係>
1.「仕事が原因で亡くなった」との記述について
この部分、前提として内容は阪急トラベルサポートのことではありません。
そもそも、塩田さんが添乗員となって数年経ったころ、阪急トラベルサポート入社前の話として紹介されているのですから、阪急トラベルサポートのことを述べていないことは明らかです。
当該記事を時系列に沿って説明すると以下のようになります。
・塩田さんの年齢:46才(1963年2月生、当該記事に記載はないが、雇用者たる会社は当然把握しているはずです)
・「30歳の頃、添乗員になった」→1993年
・「01年に阪急トラベルサポートに移り」→2001年、阪急トラベルサポートに入社(38歳)
改めて当該記事を見ると、「添乗員になって数年経った頃」との記述があります。前述の時系列に照らせば、塩田さんが添乗員になったのが30歳の頃(1993年)、そこから「数年」(数年とは概ね3~4年程度を示す言葉でしょう)であれば、1993+3(もしくは4)=1996(もしくは1997)年ということになり、明らかに阪急トラベルサポート在籍前ということになります。
これについて、当該記事を執筆したライターの野村昌二氏の認識は以下の通りです。
「昨年夏の取材時に、塩田さんがユニオンを結成した経緯を聞いた際、印象に残る話であったので記事にしました。ここも会社が指摘するように、亡くなった人が阪急トラベルサポートの人であったとは一言も書いていません」
よって、当該記事は「虚偽」ではなく、「名誉毀損」「業務妨害」はその前提を欠くということになります。
 
2.賃金水準などについての記述について
前後の文脈から明らかなように、この文章の主語は「阪急トラベルサポート」ではありません。また、阪急トラベルサポートの現在の状況を述べているものでもありません。
記事の内容はライターの取材の結果としての旅行業界、派遣添乗員一般の実態を述べているに過ぎないのです。
野村昌二氏の認識は以下の通りです。
「全2ページの記事は、構成として、前半を派遣添乗員の実態について割いています。そこでまず、派遣添乗員が増えた背景から、いまや『なんでも屋』となっている様子を書きました。そして会社が塩田さんのコメントと指摘する記述が入り、派遣添乗員の日当や雇用保険にも入れてもらえず年収は230万円程度になっている現状を書いています。
その後は、『事業場外みなし労働』問題や女性添乗員の声等に触れていますが、要するに、2ページの半分以上は派遣添乗員の一般論を展開し、塩田さんのコメントもその一部に挿入しています。
つまり、会社が指摘する箇所は、塩田さんのコメントではなく、阪急トラベルサポートのことだとは一言も触れていません」
 
以上述べたように、会社のミスリードが明らかな以上、会社は、HTS支部委員長である塩田さんを業務から放逐するという明白な不当労働行為意思をもって意図的に当該記事をねじ曲げ、もってそれを奇貨として塩田への「アサイン停止」を行ったと断じざるを得ないのです。

<見解についての事実関係の確認>
上記事実関係を踏まえた上で、以下の点につき質問いたします。
1.塩田さんへの「アサイン停止」=事実上の解雇につき、その事実関係、実態を調査したのか教えてください。
2.「HTSの仕事が原因で亡くなった方がいるかのように誤解」するという根拠を教えてください。
3.塩田さんへの「アサイン停止」についての貴労組の見解、それを是とするのか非とするのか、教えてください。
4.「お客様からの問い合わせ」「誤解への対応」「業務の負担が増し」との記述が見解文中にありますが、「お客様からの問い合わせの件数」およびその内容、また、どのような誤解があり、それにどのように対応したのか、具体的にどのように業務量が増えたのか、当該記事発行前と比較したデータをもちろんお持ちの上で書かれたのでしょうから、そのデータおよび根拠となる資料をご提示ください。

<申し入れ>
 以上の質問への回答方法につき、以下の通り申し入れます。
 2009年5月14日(木)正午までに文書にて以下の宛先までご回答ください。
 

 全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合
 東京都葛飾区青戸3-33-3 野々村ビル1階
 電話03-3604-5983 
 
ファックス03-3690-1154


以上

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30 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-04-29 21:07:53
私も、あの紙に書いてあることが、会社寄り過ぎるような気がして、気になっていました。もっと、公平にね。やりたいです。解雇された方が誰であろうと、それを奨励する組合って??ちがうでしょ?って感じです。
返信する
Unknown (現役添乗員)
2009-04-30 04:40:13
上記の項目4については
自分も是非、聞きたいです。

このブログへの投稿をお願いします。

とくに「業務の負担が増し」とは?

世間は勝手な事を言うものです。
この内容を読んだだけでも
相変わらず、不当クレーム対応と同じ
事をしているのだと思いました。

まったくもってわかっていない。

自分達が正しいのならば問題ではないし
又対応にも問題はないはずです。

わざわざあえて「問題」とする理由は?

本末転倒?

それはどちらでしょうか?
返信する
Unknown (Unknown)
2009-04-30 04:45:26
裁判判決も労基署の勧告も守らない違法組織に
この反論の権利があるのか疑問です。

返信する
第二組合の矛盾言動??? (Unknown)
2009-04-30 04:59:24
この第二組合のビラを読み、不愉快極まりなく思った自分です。

よくもまぁ、こんなビラが配れたもの。
無知にも程がある。
今まで阪急社グループがして来た事をわかってやっているのかねぇ!

もう少し己を知れ!っていう感じ!
返信する
Unknown (Unknown)
2009-04-30 05:02:32
*添乗員の待遇が悲惨であるとか~

→最賃法違反、長時間勤務、強制無賃無担当業務押し付け、人権を侵害するアンケート評価欄かつアンケート評価による日当査定、等

これらが不正確な事実? 誤解を招く表現?

はぁ??? 

本当に現役添乗員ですか?

名ばかり添乗員? 

通常添乗業務をしていないのですか?
返信する
Unknown (Unknown)
2009-04-30 06:15:24
大阪の連合組合員です。
はじめは添乗員会ということでグループを作ったはずなのに、いつの間にか、連合傘下の組合員になってしまい、毎月組合費も給料天引きです。
自分の所属している組合がこんな会報を発行しているなんてびっくりです。
本当のところをいうと、すぐにでも抜けたいのですが、ゲシュタポ統治下のドイツのような状態で、怖くて抜けられません。
完全に会社と癒着しているのがわかった以上、逆らったら何をされるかわからないからです。
塩田さんが立ち上がって活動をしてくれたからこそ、今の待遇があって、連合の役員もその恩恵を受けているはずなのに、よくこんなことがいえたものだとあきれてしまいます。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-04-30 06:33:38
大阪の委員長の名前が入っていますが、
これって大阪ではまだ受け取っていません。
東京だけのものなんですか?
同じ組合なのになんか変ですね。

大阪ではこの事件について知っている人はほとんどいないと思います。
組合もこの件は「知られたくない」のでしょうか?
事の経緯をちゃんとみてみたら、何が正しいか、何が間違っているか、一目瞭然だからです。

連合のブログにこの事件のことが一時記載されていましたが、削除されてしまったのはそのせいなんでしょうか?
返信する
軽蔑する (フランスの一日本人労働組合員)
2009-04-30 06:42:14
このビラを読んで、死ぬほどビックリしています。

口では表現できないほどの怒りが湧いています。どうしてくれよう。

このビラを書いた者たちは、なんて卑怯な方々でしょう。

添乗員を苦しめる長時間労働と残業代未払いの原因の「みなし労働時間制」に賛成し、

経営側と一体のサービス連合労働組合が、

今度はあろうことか歴史上はじめて添乗員のために声をあげ闘ってきている塩田さん、

添乗員のために多くの改善を勝ち取ってくださった塩田さん、

そのために会社から解雇された塩田さんを、その背後から切りつけてきました。

これほど卑劣な行為があるでしょうか。

これで労働組合と言えますか。

このビラは会社の主張そのものではありませんか。

恥ずかしくないのでしょうかサービス連合は。

労働組合として絶対やってはいけないこと、

それは会社と一緒になり同じ労働者への解雇に手をかすことです。

これは最低限のルール(掟)です。子供にもわかることです。

全世界の労働者への裏切り以外ありません。

裏切りは人間として一番恥ずかしい、卑劣なことです。

世界から軽蔑されることでしょう。

サービス連合は、また歴史に記憶されましたね。このビラは同じ日本人として、同じ業界人として、とても恥ずかしいです。

日本の添乗員の皆様方へ。
こんな卑怯卑劣なビラややり方に決して負けないでください。私たちは、いまこそ勇気をだしてもっともっと声をあげないといけません。

世界中に、日本中にこのブログを拡げていきましょう。

塩田さん・皆様頑張ってください。いつまでも応援しつづげます。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-04-30 12:04:54
労働組合は仲間を守ってくれるのかと思ってました。
白いモノをも黒と言って会社にすり寄るこの団体に、嫌われるとこんな風に攻撃されるなんて。この団体に所属している人達は、強いモノに逆らえず、逆らえば今度は自分が標的になりかねないからと、ゆうこと聞いて加担しているのですね。
小学校や中学校、職場でも、
世間のイジメは、こうして起きる。
返信する
自由 (大学教員)
2009-04-30 13:27:50
1941年1月、アメリカルーズベルト大統領は、ナチスやファシズムと闘うために、4つの自由を守ろうと呼びかけました。

4つの自由とは
1、言論及び表現の自由
2、貧困からの自由
3、恐怖・抑圧からの自由
4、信仰の自由
の4つです。

今回の阪急の仕打ちは、文字通り言論の自由を認めずマスコミを敵にまわし、解雇者を貧困においやるアサイン停止。なにより最大・一番の目的は添乗員への恐怖支配で労働組合脱退を促すプレッシャーの手段していることです。これはいつの時代も権力者が人を恐怖で支配するため駆使する、人類の歴史上で最も卑劣な非人間的行為とされる方法です。

しかし、このような手段が敗北して責任者が罰を受けるのも歴史が証明している通りです。

労働者・人々は決して愚かではありません。いつまでも怯えてなどいません。パリのパルチザンのごとく必ず勇気を奮いたちあがり、すべての真相を暴露することでしょう。

おおげさでなく、全国一般東部労組HTS支部のたたかいは「自由」を守るという全国・世界共通の歴史的な大切な闘いだと思います。市民・マスコミ・文化人・学者・労働者・労働組合・人権団体・政党は手を携えて自由を破壊する者と徹底的にたたかいましょう。
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