東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

いっさいの改憲への反対を呼びかける東京東部労組声明

2017年11月08日 09時43分19秒 | 労働組合

いっさいの改憲への反対を呼びかける東京東部労組声明

2017年11月7日
全国一般東京東部労働組合執行委員会

10月22日の衆院選は自民・公明の与党が憲法改悪の発議に必要な3分の2を上回る議席を獲得し、さらに希望の党や維新の会を合わせると8割以上が改憲勢力で占められた。

選挙後、首相の安倍は悲願の改憲に前のめりになっている。

2020年の新憲法施行という目標に向け、早ければ2018年にも改憲発議と国民投票の実施、あるいは2019年の参院選と国民投票の同時実施といったスケジュールが取りざたされている。

いずれにしても改憲の動きがかつてなく本格化し加速するのは間違いない。

この情勢に私たちはどう立ち向かうべきか。

改憲策動は安倍に始まった話ではない。自民党をはじめとする支配層は一貫して改憲をとなえてきた。その狙いは日本を戦争のできる国に変えること、支配層の利益のために人権を制約することにある。

これに対し、労働者民衆は戦後、社会党や共産党、労働組合のナショナルセンターだった総評などとともに改憲を許さないことを柱に据えた強力な反戦平和運動を展開してきた。

これによって1947年に施行されてから70年間、執拗な改憲策動にもかかわらず、支配層は憲法を一言一句変えることができなかったのだ。

いよいよ改憲が現実に迫った今こそ反対運動を高揚させるべき時である。

ところが、先の衆院選で安倍改憲に反対して野党第一党に躍進した立憲民主党が「改憲そのものには反対ではない。改憲論議には応じる」との態度を示している。

すなわち良い改憲と悪い改憲があるという考え方である。単純な政策論に絡め取られている。敵との攻防という観点からは誤った態度と言わざるを得ない。

支配層が改憲を通して何を目指しているのか、その真の目的を見失ってはならない。

朝鮮、中国、アジア各国への侵略戦争の反省の上に立ち、戦争を再び許さないという労働者民衆が戦後つちかってきた決意と運動を改憲によって一掃することを目的にしているのだ。

これが安倍の言う「戦後レジーム(体制)からの脱却」である。

改憲の実績づくりのためであれば、支配層は本丸の9条破棄をあえて後回しにすることも含めて、多少の「改善点」をアメ玉として与えてくることもあるだろう。

「良い改憲案」の対置は敵の土俵に乗ることに他ならない。

戦争への道を阻むためには、あらゆる改憲に反対すべき情勢である。

野党各党は対案路線と議会内での取引ではなく、いっさいの改憲を打ち砕く大衆運動を呼びかけ、ともに闘うべきだ。

もはや改憲自体は避けられない、せめてマシな改憲に導くしかないといった発想は国会の中にしか政治を見ずに敗北主義におちいったものだ。要は労働者民衆の力を信じられるかどうかである。

他方で、私たちは「護憲」という言葉に現状維持のイメージがまとわりついていることに注意を払いたい。

最低賃金の引き上げを求めるデモで生活に困窮する若者が「守りたい平和なんかない」と路上で叫んだ。この怒りを私たちは深く共感し共有する。

過労死、低賃金、パワハラ、差別が横行している職場で日々追い立てられ、明日の生活すら描けない労働者にしてみれば、ミサイルは落ちなくても日常は戦場にいるようなものなのだ。

東部労組はこのような現状を維持するつもりはさらさらない。すべての労働者に団結と闘争で職場と社会を変革していく力強い労働運動をともに起こすよう呼びかける。

同時に、労働組合は労働問題だけに専念して憲法などの政治問題に首を突っ込むなという意見を持つ人たちに対し、職場で闘うだけでは労働者に本当の平和は訪れないということも強く訴えたい。

戦前、激しく労働争議を闘っていた労働組合は戦争が始まるや「挙国一致で国難を突破しよう」と産業報国会と化し、戦争に率先して協力した。「万国の労働者、団結せよ」の思想が弱かった。

その結果、戦争によって日本の労働者も他国の労働者も多くの命が奪われ、生活は根底から破壊された。

労働組合はあの恥ずべき歴史をくり返してはならない。戦争への反対は労働者の生活と権利を守るために欠くことのできない最大の要求と運動である。

どれだけ議会で改憲派が多数を占めようが、労働者民衆が本気で怒り、改憲反対の大運動を巻き起こせば、改憲は不可能だ。

すべての職場で労働者が一斉にストライキに入るゼネラルストライキが実現すれば、戦争は止まる。

戦争か平和か。すべては私たち労働者自身が立ち上がるか否かにかかっている。

いっさいの改憲に反対し、よってたかって闘おう!朝鮮半島での戦争を画策する安倍とトランプを労働者民衆の力で追い落とそう!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シリーズ「解雇理由」2017年9... | トップ | 職場での労災死亡事故問題 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

労働組合」カテゴリの最新記事