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(写真:東部労組第39回定期大会で決意を述べる東陽ガス支部井上委員長)
裁判所の和解案を会社が拒否
実態を無視し「業務委託」に固執する東陽ガス(株)
本来は会社が負担すべき経費(ガソリン代、車両リース代・・・)を労働者に押しつけ、それが払いきれないと事実上の「借金」として計上する「借金漬け労働」の撤廃を求め、東部労組東陽ガス支部は昨年7月から裁判を闘っています。
今年7月の期日から、裁判は和解交渉に入りました。
その中で、裁判所から和解にあたっての考え方が示されました。裁判所は「雇用契約を結んでおきながら、『雇用形態は業務委託である』というのは苦しい。無理がある」と、会社の「東陽ガス配送員は業務委託であって労働者ではない」との主張に苦言を呈しました。また、「『借金』を配送員に課すのは問題」とも。
その上で、雇用契約を前提に、①現在積み上がっている「借金」を帳消しにすること ②過去分の「借金」を生産すること ③今後、配送員が経費を負担する義務がないことを確認すること
を骨子とする和解にあたっての考え方が裁判所から会社に示されました。
しかし、会社の回答は「業務委託契約でお願いしたい」というもので、裁判所が示した和解にあたっての考え方とは相容れないものでした。裁判所の示した考え方に沿っての和解交渉を事実上、拒否したかたちです。
業務委託契約に一本化されれば、現在東陽ガス支部の労働者が加入している雇用保険、社会保険といった保障もなくなります。また、雇用契約・業務委託契約という現在の「二重契約」で最低限保証されている固定給もなくなり、完全な出来高報酬になります。どの配送員にどれだけの仕事を割り振るか、それによって収入が大きく上下することになります。会社の「さじ加減」が大きく働くことになります。
現在においても苦しい生活を強いられている東陽ガス支部労働者からセーフティネットをはぎ取り、「兵糧攻め」の態勢を作ろうとする、会社の狙いは火を見るよりも明らかです。
組合は会社の回答を受け入れられないことを裁判所に表明。これにより和解は決裂となりました。
私たちは争いを好むものではありません。しかし、会社の態度は、組合が受け入れる余地のない回答をあえて行っていると思わざるを得ません。争議を解決しようという姿勢ではまったくありません。争いを終結させようという裁判所の努力を無にした会社の姿勢に私たちは改めて怒りを禁じ得ません。
東陽ガス(株)は争議を解決しろ!
「借金漬け労働」をただちになくせ!
②東陽ガスが緑ナンバーで配達しているならば、配達者は道路運送法や貨物自動車運送事業法による労働者ではないでしょうか?。たとえ白ナンバーで配達の場合上記①の場合の労働者性を有すると思います。