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HTS支部塩田委員長アサイン停止問題で組合勝利の都労委命令

2011年02月05日 15時00分27秒 | 添乗員・旅行業界

(勝利命令を受け、都庁前で)

都労委 阪急トラベルサポートを断罪
「会社の行為は不当労働行為」

 阪急トラベルサポートは都労委命令に従え!
 塩田さんをただちに職場に戻せ!


「週刊金曜日」の取材に応じたことで、阪急トラベルサポート(HTS)より「アサイン停止」(事実上の解雇)を受けたHTS支部の塩田委員長。
09年5月、東京都労働委員会(都労委)に不当労働行為の救済申し立てを行い、職場復帰を求め、この間闘ってきました。

2月4日、都労委は「命令」(=判決)を交付、塩田さんへの「アサイン停止」(事実上の解雇)が不当労働行為であり、
■塩田さんを添乗業務に復帰させること
■塩田さんに対し、アサイン停止日から業務に復帰するまでの間、塩田さんが受けるはずであった金員相当額を支払うこと(バックペイ)
■組合に対し「今後、このような行為を繰り返さないよう留意します」との謝罪文の交付

を会社に命じました。
バックペイについては、塩田さんが事実上の継続雇用にあったとして、当時の日当×20日(当時の稼働実績)をひと月分とせよ、と認定しています。
登録型派遣労働者の継続雇用性が認定されているという点で、この命令は画期的なものであるといえます。

「取材に応じた」塩田さんへの不利益取扱い

HTSは09年3月、取材に応じただけの、文責もなく発行主体でもない塩田さんに対して、執筆者、発行主体を飛び越え、「週刊金曜日」同年2月20日号に掲載された「シリーズ 生きている労働組合」の記事を「内容は虚偽の事実」とし、事実上の解雇処分を通告してきました。

一方、会社は現在に至るまでライターの野村さんと出版社の金曜日に対して抗議などはしていないばかりか、会社が問題にしている部分は「地の文」、つまりライターが執筆した部分(塩田さんの発言はカギ括弧の中の部分)であり、ましてや会社のことを書いている部分ではないのです。その意味で、会社のやり方は、支部の委員長である塩田さんを狙い撃ちにし、それにより組合つぶしを狙ったものでした。

都労委の判断-「会社の行為は不当労働行為」

都労委はこのような会社のやり方を、塩田さんに対する事情聴取の場であらかじめ用意したアサイン停止を通知する文書を渡しているなど、「塩田を職場から排除するアサイン停を既定の方針として既に決めていた」と断じました。
そして、「会社は、虚偽の事実を掲載したとか、重大な名誉毀損があったなどといいながら、週刊金曜日に対しては本件雑誌記事の訂正、撤回を申し入れるなどのことをしていない。むしろ会社は、塩田にのみ責任を転嫁」した、と判断したのです。
 
そして、会社の狙いは「塩田が野村の取材に応じたことを奇貨として、派遣添乗員の労働問題、とりわけ事業場外みなし労働時間制の撤廃を巡って激しく会社と対立していた組合の支部執行委員長である同人を職場から排除することによって、組合の会社における影響力を弱体化することにあったと判断せざるを得ない」と明確に会社の不当労働行為意思を認定しました。

「言論の自由の侵害」-社会的な包囲と支援

インタビューに応じた労働者を「処分」するということは、企業への批判の声をあげることと、これを報じるメディアに対して「告発したらこうなるぞ」という見せしめでもありました。
この点から、雨宮処凛さん、宇都宮健児さん、佐高信さん、中島岳志さん、湯浅誠さんの5人を呼びかけ人とする「塩田さんへの事実上の解雇を許さない!文化人・言論人アピール」運動、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)の抗議声明、「週刊金曜日」を発行している株式会社金曜日とライターの野村さんもHTSに対して損害賠償を求める訴えを起こすなど、社会的包囲が形成されていきました。
 
同時に、「週刊金曜日」主催の塩田さん支援岩手ツアーの開催、たくさんのカンパが寄せられるなど、支援態勢も確立されていきました。
 
このように、今回の勝利命令は、支部の団結、そして社会的な包囲・支援の中で勝ち取られたものと言えます。

組合は、勝利命令を受けただちに厚労省記者クラブで週刊金曜日との共同記者会見を行い、塩田さんは「職場復帰を強く求める」と訴えました。


(厚労省記者クラブで記者会見。左から「週刊金曜日」発行人の北村さん、棗弁護士、塩田さん)

組合は会社に対し、都労委命令を守り、塩田さんをただちに添乗業務に復帰させるよう、強く求めていきます。

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新聞各紙のWEBに記事が掲載されています。

朝日新聞<asahi.com>
「記事掲載後に業務外す 派遣社員への不当労働行為認める」
http://www.asahi.com/job/news/TKY201102040195.html

毎日新聞<毎日.jp>
「不当労働行為:阪急トラベルサポートに救済命令 都労委」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110205k0000m040047000c.html

読売新聞<YOMIURI ONLINE>
「労組幹部の業務外しは不当、都労委が復帰命令」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110205-OYT1T00279.htm

「週刊金曜日」きんようブログにも掲載されました
「塩田さんに勝利命令」
http://www.kinyobi.co.jp/blog/?p=2804

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-02-06 03:05:23
いい加減に責任を認め、謝罪するべきです、トラサポは。この会社を恨んでいるものは相当数いると思えます。それも、自らの責任を一切取らないでいながら、添乗員から搾取出来るものは全て、搾取しておき、要らなくなったらポイの繰り返しをしてきたから。人を人と思っていません。私も辞めた一人です。辞めなければ言いたい事も言えない。こんなの会社じゃないです。
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Unknown (Unknown)
2011-02-06 23:43:09
これまでいつの時も行政、司法にもすんなりとは従わずにきた会社。
毎日新聞の記事によれば、またしても「到底承服できない」とのことですが、この件は人の人生、生活にかかわる事項です。
このような人道的重大な命令にもとことん抵抗しようとするのは、会社の名においても大変イメージを損なうものと感じます。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-02-14 00:42:49
会社側は何らかの責任を取るべきなのは、見え見え。なのに、逃げる事に固執して、なんらの解決法を見出そうとはしていない
添乗員をばかにするな。
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