パキスタン人労働者アミンさんの労災隠しでピーエス三菱に抗議申し入れ行動
全国一般東京東部労組は10月21日、パキスタン人労働者アミンさんの労災隠し問題でゼネコンのピーエス三菱本社(東京・晴海)に対する抗議申し入れ行動を行いました。
この行動は、東部労組が加盟するコミュニティ・ユニオン首都圏ネットワーク一日行動の一環として19団体・110人で取り組まれました。
アミンさんは、2019年7月、ピーエス三菱が施工主を務める東京・足立のマンション建設現場で、会社側の安全対策がないまま、重い建材を運んでいた時に地面のぬかるみに足を取られて腰などを強打し、現在も痛みとしびれが続くほどの労災事故にあいました。
ところが、アミンさんを直接雇用している有限会社彩という下請会社からは「けがをしたのは(建設現場ではなく)別の場所にしろ」「自転車に乗ってころんだのではないか」などとウソをつくよう強いられました。元請会社のピーエス三菱にも建設現場での事故を申告し、労災申請を求めたにもかかわらず拒絶されました。
足立労働基準監督署は2020年3月にようやく労災認定をしましたが、それまでの9カ月間にわたりアミンさんは賃金が一切支払われず、労災の休業補償も受けられず、小学生の子ども2人を含む家族とともに苦しい生活を余儀なくされました。アミンさんは野原の草を食べて空腹をしのいだほどです。
東部労組とアミンさんは会社側に団体交渉で、労災隠しの謝罪や安全配慮義務違反に基づく補償を求めていますが、会社側の対応はいずれも極めて不誠実な態度に終始しています。
あろうことか下請会社が依頼したとされる興信所がアミンさんやその家族を執拗に尾行・隠し撮りをするなど重大な人権侵害を起こしています。そして、ピーエス三菱はそれらに基づきアミンさんのけがを「詐病」扱いするという、断じて許しがたい対応を取っています。外国人労働者への差別と考えるしかありません。
この日の行動でも、本社の担当者に抗議の申入書を手渡そうとしたものの、インターホンを何度鳴らしても、だれも出ない、申入書を受け取らないという不誠実な対応でした。行動参加者の怒りは爆発し、「労災隠しを謝罪しろ!」「外国人差別を許さないぞ!」のシュプレヒコールが上がりました。
アミンさんと東部労組は今後も会社側に謝罪と補償を求めて闘っていく決意です。国籍や民族が違っても私たちは同じ労働者です。アミンさんの闘いをすべての労働者の団結で支えていきましょう!