メトロコマースは昇進・昇格の機会を全販売員に平等に与えてください!
東京地下鉄(東京メトロ)の駅売店「メトロス」で働いている契約社員らでつくる私たち全国一般東京東部労組メトロコマース支部は本日(1月25日)、契約社員Bから契約社員Aへの登用のあり方が不公平だとして株式会社メトロコマースに対して抗議文を送付しました。
「メトロス」では、もっとも低い待遇で働いている契約社員Bが約130人と大半を占めています。その一方で販売員の一部には正社員と契約社員Aがおり、契約Bよりも良い待遇で働いています。私たちは昨年3月の組合結成以来、この販売員間の格差・差別をなくすよう求めてきました。
これに対して、会社側は来年度の契約Bから契約Aへの登用について、ほぼ全員が受験できる制度に見直しました。従来の上司による恣意的で不透明な登用方法と比べると、一歩前進と一定評価できるものでした。
ところが、会社側が今年1月15日付の事務連絡として明らかにした文書によると、ほぼ全員が受験できるのは「今回に限る」というのです。来年の試験からは契約Bの中で「B-1」という格付けが与えられている一部の販売員のみしか対象にしないというのです。昇進・昇格の機会すら与えない不公平なやり方というほかありません。
また、今回の試験で登用する人数を「5人程度」と設定しているのも明らかになりました。試験をやる前からあらかじめ登用者数を決めるというのは、仮に試験でどれだけ良い結果を出しても足切りされていくことを意味します。販売員をAとBに分ける「基準」などは初めからなく、会社が一方的に決めているAとBとの人数的なバランス以外にないことを示しています。
メトロコマースは同一労働同一賃金の原則に従って、すべての販売員の均等待遇化を実現するべきです。
私たちが会社側に送付した抗議文は以下のとおりです。
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2010年1月25日
株式会社メトロコマース
代表取締役社長 野村 勝彦 殿
全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合
執行委員長 菅野 存
同 メトロコマース支部
執行委員長 後呂 良子
抗 議 文
貴社は、本年1月15日付事務連絡「契約社員A登用試験について」と題した文書を、リテール事業本部管理部管理課名で各所属長にあてて通知しました。この文書について、当労組は強い抗議の意思を以下のとおり貴社にお伝えします。
1.契約社員Aの登用試験受験対象者は格付け「B-1」のみと内規で定めているとして「B-2」以上で希望する者が全員受験できるのは「今回に限る」としている点は問題であり、当労組は到底認めるわけにはいかない。当労組は貴社に送付した1月12日付「来年度の契約社員A登用試験について」で明らかにしたとおり、契約社員Bのほぼ全員(「B-3」は除く)が平等に受験できることになったのは画期的であり、一定の評価を示した。ところが、事務連絡の文書では一転、全員が受験できるのは「今回のみ」と限定している。今回、全員が受験できる理由は「内規が制定されて1年未満で移行期にあたるため」としているが、来年以降に全員を受験対象にしない理由にはならない。今回の試験自体、1月12日付組合書面で指摘したように「拙速」であり、試験実施の連絡を受けた販売員が受験希望を意思表示するまでの期限はわずか1週間足らずしか設けられていなかった。準備の不十分さや契約AとBとの違いが不明な点などを考慮して、今年はやめて「来年に受験しよう」と考えた販売員も多くいる。来年以降に受験対象者を限定するのは昇進・昇格の機会を平等に与えるという当たり前のあり方からの後退であり、来年に受験を回して今回は応募しなかった販売員を裏切る行為である。
2.また、事務連絡の文書で今回の試験の登用者数を「5名程度」としている点も問題である。仮に契約AとBの販売員間で役割・仕事に違いがあったとしても(言うまでもなく当労組は販売員間で違いはないという立場である)、試験の結果で貴社が想定する契約Aの「基準」を満たす者は全員を登用するのが本来のあり方である。試験をやる前からあらかじめ登用者数を限定するのは、まさに販売員をAとBに分ける「基準」がないということを認めているに等しい。試験の結果にかかわらず同一労働同一賃金の原則にのっとって、すべての販売員を無条件でただちに均等待遇にするべきである。
以上