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『言文対照 漢訳日本文典』 松本亀次郎 (1907.1)

2012年05月05日 | 清国・民国留日学生 1 教育、松本亀次郎

 内表紙には、「宏文学院教授松本亀次郎著 宏文学院叢書 言文対照 漢訳日本文典 東京 国文堂書局」とある。奥付によれば、本書は「明治四十年 〔一九〇七年〕 一月一日訂正十八版発行」である。22.3センチ。

 

 内容は、嘉納治五郎先生序文2頁、例言17頁、目次6頁、本文412頁、跋[高歩瀛]3頁、跋[崔謹]2頁、跋[王振垚]跋2頁である。

 下は、例言の幾つかの部分である。

 一、清国留学生ノ、日語日文ヲ学ブ者、二種ノ区別アリ。第一ハ、口能ク之ヲ談ジ、耳能ク之ヲ聞キ、目能ク之ヲ看、手能ク之ヲ書カント欲スル者、第二ハ口ト耳ト、能ク言ヒ能ク聴カズト雖目ト手トハ、能ク看能ク書カンコトヲ欲スル者、是ナリ。余昨年五月ヨリ、初メテ東京弘文学院ニ在リテ、此ノ二種ノ希望、相異ナル所ノ学生ノ為ニ日語日文ヲ教授ス。第一ヲ普通科ト日ヒ、第二ヲ速成師範科ト日フ。普通科ヲ習フ者ハ我邦ニ留学スル年限、較久シクシテ、各種ノ専門学校ニ入ラント欲スル者、速成師範科ヲ学ブ者ハ、学期僅ニ八九月ニシテ、師範学科ノ大要ニ、通センコトヲ欲スルノミ。此二種ノ学生ノ日語日文ヲ学ブヤ、時期ニ長短アリ、程度ニ深浅ノ別有リト雖然モ其ノ文法ヲ学ブニ急ニシテ、且之ヲ重要視スルコト相同ジ。〔以下省略〕

 一、清国留学生学日語日文者、有二種区別。第一欲口能言之、耳能聴之、目能閲之、手能書之者。第二、口與耳雖不能言能聴、而欲目與手能閲能書者、是也。余自去年五月、始在東京弘文学院、教授此二種希望相異之学生、以日語日文。第一日普通科、第二日速成師範科。習普通科者、在我邦留学年限較久而欲入各種専門学校。学速成師範科者、学期僅八九月、欲略通師範学科大要而己。此二種学生之学日語日文、雖時期有長短、程度有深浅、然其急於学習文典、且視為重要之情相同。〔以下省略〕

 一、此ノ書ノ稿ヲ脱シ、将ニ印刷ニ附セントスルヤ、留学生高君歩瀛、崔君謹、陳君宝泉、及ビ他数君、余ガ為ニ、校讎ノ労ヲ執ラレタリ。〔以下省略〕

 此書脱稿印刷之際、適承留学生高君歩瀛・崔君謹・陳君寶泉・及他数君、為余主持校讎之労。〔以下省略〕


   明治三十七年 〔一九〇四年〕 七月於東京麹町区富士見町寓居
                                      著者識

 なお、宋教仁は、明治三十八年 〔一九〇五年〕 四月八日に日本語講習所でこの書を読んだと、日記『我之歴史』に記している。



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