蔵書目録

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「キャラバンの鈴・蒙古の娘」 川島芳子作詞 (歌詞カード)

2023年12月18日 | 孫文、稲天、東亜同文会、黒竜会他

 キング・レコード KING  RECORD
   大日本雄辯會講談社編修發行

       

     男裝の川島芳子嬢
      K294-A  
   
 滿洲國民團定國軍總司令
  川島芳子作詞
   キャラバンの鈴(フォックス。トロット)
         杉山長谷夫    作曲編曲
      獨唱 東海林太郎
      伴奏 キング・サロン・オーケストラ
  
 一、ひろい沙漠を はるばると
   駱駝に乘つて キャラバンは
     雪を踏みふみ 通 かよ てくる
 
 二、村にのこした 戀人に
   別れのしるしと おくられた
     鈴は駱駝の 頸 くび で鳴る

 三、雪の砂丘に 月させば
   別れた宵の 思ひ出に
     駱駝の背 せな でひく胡弓 ショウロ  
  
 四、鈴を磨いて 若人 わかうど は
   遠くはなれた ふるさとの
       娘の指を 夢に見る

 ーキングレコードは一分間に八十囘轉- 
  

  蒙古のキャラバンたちには『鈴が曇れば心も曇る』といふ云ひ傳ヘがあり、鈴の光の晴曇 せいどん に對しては吉凶禍福の前兆として非常な關心を持つ習慣があります。それ程『鈴』はキャラバンたちにとって特異な存在です。茫々漠々たる沙漠の旅路にあって、若人の旅情を慰めてくれるものはこの愛人から贈られた『鈴』でなければなりません。そして月さす雪の砂丘の夜半 よは 、夢見るものはあの麗人の白魚の指!指は若者達の美の對象であるからです。それは丁度私達が、可憐な瞳、愛らしい唇を憶 おも ひ起すやうに、異性に對する彼等の憧れである事をお含み下すってこの唄をお味 あじは ひ下さい。
  
寫眞ー隊伍を組んで北滿の胡地蒙古沙漠を行く滿洲隊商の群 むれ、胡歌遠く千里の道を行く新天地。

   
   
 滿洲國民團定國軍總司令
  川島芳子作詞
   蒙古の娘(タンゴ調)
         杉山長谷夫 作曲編曲
      獨唱 渡邊光子   K294-B 
      伴奏 キング・サロン・オーケストラ    
  
    
    渡邊光子嬢
  
  蒙古娘の
  二八の春は
  空を仰いで
  涙する
  
  長い黒髪を
  芝の根で束 か ね 
  ぬかづく喇嘛堂 おどう に
  月が出る
  
  蒙古娘
  二八の春は
  赤い刺繍の
  靴を縫ふ
  
 ー川島芳子嬢について
  
 作詞者川島芳子さんは、前淸國皇族中最も上位の親王家肅親王の五女。革命と同時に支那研究家川島浪速氏の養女として東京に育ち、さきに蒙古族の一大頭目「巴布札布」(パフチャップ)の息「甘珠兒札布」(ガングリチャップ)の王妃として庫佺 こぜん 王城に暮しましたが後逃れて滿洲事變の戰線に立ち、華々しく活躍せられた事は旣に御承知の事かと存じます。その際受けた彈丸 たま は未だ腹中 ふくちゅう に止 とゞ まつてゐるとか。目下『滿洲國民團定國軍總司令』の要職に居られます。



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