蔵書目録

明治・大正・昭和:音楽、演劇、舞踊、軍事、医学、教習、中共、文化大革命、目録:蓄音器、風琴、煙火、音譜、絵葉書

「山葉ピアノ」 京都大丸 楽器部 (昭和初期?)

2012年07月25日 | 楽器目録 昭和 日本楽器、楽器製作者

 〔図版・説明など多数省略〕

 山葉ピアノに就いて

 ◆暗夜に燈明、家庭に音楽

 ◆信用ある大工場の製品

 ◆規模の大きな設備の完全なる大工場の製品なる事

 ◆創業の古い事

 ◆山葉ピアノ

  

  (日本楽器製造株式会社浜松本社工場全景)

 は敷地二万坪、建坪一万坪を占め、最新の機械と施設を完備して、従業員一千八百名資本金四百万円を有する世界有数の大工場たる日本楽器製造株式会社の製品で、明治十八年 〔一八八五年〕 創業以来二万台の山葉ピアノが上は宮内省、各宮家を始め陸海軍省、各音楽学校、師範学校、女学校、小学校等から全国一般の家庭は申す迄もなく、遠く海外に迄普及して、御愛用と御好評を蒙って居ります。是迄我国を訪れたピアニスト中最も勝れた名手と云はれて其の神技に我が楽界を驚倒させた世界的大家レオ、シロタ氏が各所の音楽会に山葉ピアノを使用して充分に其の霊妙な技能を発揮して「独乙や亜米利加の最優等のピアノと全く同格である確証を得た」と嘆賞された程でございますから山葉ピアノはどなたが御使ひになっても十二分の御満足を得られる事は間違いのない事でございます。然し未だ

 ◆舶来品

 と云へば何でも上等の様に御考への方もある様でございますが、現在我国に輸入されて居ります輸入品は百種以上もありまして、其の品質には甚しい懸隔があります。外観や構造の同じ様な竪ピアノでも七百円位の低級品から二千円位の高級品迄ありますそこで本国の値段の分らいのを幸に安ピアノに法外な売価を附けて沢山な割引をする事が行はれて居りますので一概に割引に心を引かれると飛んだ目に遇ひます。輸入品中真に安心の出来る一流品は四五種に過ぎません。其の他は殆ど二三流品でございますから矢張り製造所を御調べになる事が大切でございます。しかも其の一流品さへ中には出来、不出来のあるものがありますから数の少い輸入品では充分の御撰定の出来ない憾があります。又内地に完全な工場と販売機関の無い品は万一故障を起した場合は充分の手当の出来ない事が最も欠点であります。尚近頃は内地にも小規模な工場が簇出して

 ◆国産品

 にも色々なものが出来て居ります。中には西洋の名を付けて輸入品を装ひ殆んど価値の無いものに千円位の値段を付けて、中古と偽つて四五百円位に売り付けてゐた例もあります。何れにしてもピアノは新い中は、かなり粗製品でも或る程度までは鳴るものでございます。只夫が永続するかせぬかゞ善悪の分れる所でありますから、製品そのものゝみを見て値段相当と認めても、夫が発売されてから多くの年数を経過して種々な用途や風土の試練を経た上で定評のあるものでなければ絶対に安心は出来ません。

 ◆山葉ピアノ

 こそは国内は隈なく行き亘って遠く外国で迄有らゆる用途に使用されて、有らゆる気候や風土に遇ひ、三四十年の経験で改善に改善を加へ、舶来一流品に何等遜色のない唯一の国産品として専門家間にも定評のある品で、其の上大資本と大規模を有し、宮内省御用達迄拝命して信用此上ない日本楽器製造株式会社が飽く迄製品に対して責任を持って、万一製造上に欠陥があった場合はいつでも責任を負ふと云ふ、絶対安心の出来る品で、全国到る処に支店、出張所又は特約店がありまして誠実に御満足の行く迄奉仕して居ります。どうぞピアノを御求めの際は、以上申上げました事をよく御了解下さいまして優良、堅牢にして、しかも低廉な山葉ピアノを御撰定にならるゝ事を御薦め申上げます。

  
 
 西川

 ・竪台第百壹号 黒塗 (オーク木地塗及マホガニー塗御註文ニ依リ製作)
         七オクテーブ 鍵盤セルロイド オヴァーストラング 針金三本張 アンダーダンバーアクション
         定価 金五百五拾円 荷造費 金八円 総鉄骨
         高 四尺一寸五分 長 四尺八寸五分 深 二尺○七寸 
         重量 五十六貫五百匁 荷造重量 八十貫五百匁 荷造容積 五十九オ
 山葉
 
 ・竪台第壹号
 ・竪台第貮号
 ・竪台第参号
 ・竪台第四号
 ・自働ピアノ

 西川

 ・ニューグランド 黒塗 (オーク木地塗及マホガニー塗御註文ニ依リ製作)
          七オクテーブ四分ノ一 鍵盤象牙 オヴァーストラング 針金三本張
          定価 金壹千貮百円 荷造費 金拾五円 総鉄骨
          高 三尺三寸 長 五尺二分 長 五尺六寸八分 
          重量 八十四貫 荷造重量 百拾八貫 荷造容積 七十一オ

 山葉
 
 ・平台第壹号B
 ・平台第壹号A
 ・平台第貮号
 ・平台第参号
 ・コンサートグランド

 裏表紙には、掲載した「工場全景」の写真と次の記載がある。

 N.G.K 日本楽器製造株式会社

  株式会社 京都大丸 
         楽器部
              京都市四條高倉



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。