郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

犯行当時19歳だった人間の死刑

2017年12月21日 | 日記
2017.12.19AM 犯行当時19歳だった人物が国家の名によって死刑を執行されました。
彼は一家4人を殺害した現在44歳になる死刑囚で、再審を請求中でしたが、上川陽子法務大臣が命令を下したことにより刑が執行されました。
(他にもあと一人、群馬県で3人殺害した69歳の人間も死刑執行されました。)

「裁判所の判断を尊重し、法の定めに従って慎重かつ厳正に対処したい」と今年8月の記者会見で話していたようですが、上川氏はかつて法務大臣を務めていた際も1人の死刑を執行したことがあります。
尚、日弁連は2016年10月、2020年までの死刑制度廃止と、終身刑の導入を国に求めています。

東京新聞は少年法の理念を尊重し、死刑が確定した際も匿名で報じてきたが、刑の執行により更生の可能性がなくなったとして、また、国家が人の命を奪う究極の刑罰である死刑の対象者の氏名は明らかにすべきと考えて、初めて実名で報じたことを述べています。
まさに、報道機関としてのあるべき姿を示したものと考えます。

それにしても、再審請求中だった彼は上告棄却される前には、「…僕の経験を反面教師として役立ててもらえば、この世に生まれてきたことに少しでも意味があったと言えるかもしれません」という手記を東京新聞に寄せてきていたとのことです。

彼は19歳当時、暴力団とのトラブルで200万円を要求され、金を工面するために殺害に及んだとされています。
当時の彼を取り巻く細かい状況を把握してはいませんが、厳しい生を送っていたことは容易に想像できます。

かつて永山則夫が社会に提起した課題が、何ら解決されぬまま20年も過ぎてしまったのです。

何のための国家なのか?
この病んだ社会を生んでいるのも国家の在り方と無関係のはずはありません。
他の人間の命を奪うという絶対悪は個人の責任であることは否定しようもありませんが、では、国家なら良いのか…?

どうしたら、この様な事件を無くすか、司法そのものが不可能なら行政があるいは立法が動かなければなりません。
そして何よりも、主権者である私たちが自分や家族や大切な人自身のこととして、真剣に考えていかなければなりません。
少なくとも、「法の定め」に従って一人の人間の命を抹殺することは正義なら、国家なんてまともに信用できるものではありえません。

ほんとうに残念な事案です‼️



-s.s-

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