鉄棒をやっている時のことです。
「くも!・・・」という声が聞こえてきました。
何言ってるんか、また生き物でも見つけているのか、しょうがないやつらだな全く・・・と思っていました。
すると、「ほら、なるで◯◯◯のようだよ!」という声も聞こえました。
そうです、子どもたちは空にあるあの雲のことを言っていたのです。
体育はちょっと厳しく規律正しく・・・なんて勝手に考えていた私ですが、この子どもたちの様子には、もうお手上げです。
私が負けました。
ちょうど国語教材で『くじらぐも』を扱う1時間前だったので、次の授業の導入をしてしまったわけです。
はからずも、子どもたちの側から・・・。
それにしても、私が驚かざるをえないのは、子どもたちのこの余裕です。
屋外とはいえ、れっきとした授業なのです。
その時間中に天高く見上げるとは何たる度胸、何たるゆとりであることか。
例え見たとしても、それを声に出して言う程の感性は、残念ながら今の私は持ち合わせていませんでした。
そんな余裕、私も持ってみたいな、と思いました。
(‘80.10.28の学級通信より)
-S.S-