夕食会場は、陶器の町として有名な有田町の郊外に位置する「有田ポーセリンパーク」でした。
ここは有田焼きとお酒のテーマパークです。
3年前に初めて訪ねた時は、まるでヨーロッパの宮殿が目の前に現れ驚いたものです。
最近はインスタ映えする風景として人気もあるようです。
(提供:佐賀県観光連盟)
残念ながら遅い時刻だったためテーマパークは閉館していましたが、その中にある某レストランの一隅を貸し切った食事会でした。
「伊万里牛の焼きしゃぶと蒸しカキの食べ放題」という宣伝文句どおりの夕食でした。
ビールを飲みながら、何皿も食べまくりました。
肝心な写真がないのは、食べるのに夢中でカメラのことなどすっかり忘れていたからです。
健康に良いわけはありませんが、目の前の珍しいご馳走に自制心は全く働きませんでした。
十分にお腹を満たした後は、今夜の宿泊先へ向けてバスは走り出しました。
この行き着く所から、翌朝フェリーに乗って「とある島」へ行くことになっていました。
私はリアルタイムでタブレットのマップ画面に見入りました。
バスは北上しています。
それで分かりました。
明日、渡って行く島は壱岐に違いない!
…となると、今夜は唐津港に近いホテルということになるが…。
午後8時前、バスは予想通り唐津市内の「虹の松原」に隣接するホテルに到着しました。
夕飯は済んでいるので、ここですべきことは、先程の夕食後に飲めなかったコーヒーを飲むことと、名所の一つである唐津城(別名、舞鶴城)を見に行くことです。
幸い近くにコンビニがあり、まずは美味しい熱いコーヒーを飲みました。
シーズンオフでホテルも改装中ということもあって、館内はただ泊まるだけ…。
さて、外は雨が降り続いていますが、諦めるわけにはいきません。
これがツアーの宿命と割り切って考え、一人傘を差して暗い夜道を唐津城目指して歩き始めました。
しばらくすると、右前方にライトアップされた唐津城が見えてきました。
その場所は松浦川の河口であり、唐津湾に注ぐ左岸の末端に位置します。
ホテル側から行くと河口の橋を渡るので、まるでモンサンミッシェルに向かって行く感じです。
道路を横断する地下道には唐津を象徴する絵が飾ってありました。
興味深い曳山の絵がたくさん並んでいましたが、ゆっくり見ている暇はありません。
ようやくお城の下までやって来ましたが、ここからは石の階段が続きます。
わずかに照らされた照明を頼りに一気に天守閣の石垣下まで登りました。
見学しているのは私一人のみ…。
もっとも、ここは旧本丸とは言え、廃城になった場所に模擬天守が作られ、舞鶴公園となっている所です。
江戸時代には唐津藩の藩庁が置かれていた重要な城で、海から石垣がそびえる海城でもあったようです。
ライトアップが消されないうちに退散しなければ、ここから無事に下りられません。
写真を数枚撮って帰途につきました。
翌日、壱岐へ向かう船上からこの唐津城を眺めましたが、雨の降る暗い夜に行っておいて良かったと思いました。
-S.S-