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約1万人の現代日本人のゲノムデータを解析、県別違う縄文人由来変異の保有率

2024-01-14 | 健康
縄文人由来変異を手がかりにして約1万人の現代日本人のゲノムデータを解析し、縄文人由来変異の保有率の違いを県別に調べた。その結果、地方ごとに大きな違いが明らかになった。

ゲノム上に散らばる "縄文人由来変異"の保有率を手がかりに、 本州における縄文人度合いの分布を調べた結果をマップ 化。

縄文人由来変異保有率(JAS)

注)沖縄県については縄文人由来変異保有率が0.0255と本州付近に比べて飛び抜けて高く、 地図からは省 いてある。
また、今回解析したデータにはアイヌの人々が含まれていないため、 正確な結果が得られていない北海道も同じく省略されている。

◎現代日本人のゲノムを「縄文人由来」と「渡来人由来」に分類し、それぞれの遺伝要素と現代日本人の体質の関係性を調べた結果、

縄文人由来と渡来人由来の遺伝要素の違いで生まれる体質の定量的な差をみると、
・縄文人では血糖値と、高血糖状態を表すHbA1C値、中性脂肪が大きな値。
・一方渡来人では身長、炎症の強さの指標となるCRP値、免疫で重要な役割をする好酸球の量が高い。

これは、
・血糖や中性脂肪関連の値の高さは採集狩猟民である縄文人の食生活に関係する。食べ物不足に備えて栄養をため込む「倹約遺伝子」的な働き。
・一方、CRP値や好酸球の数が示す免疫反応の強さは感染症への対抗に有効で、定住する農耕民の渡来人には重要だった

とみられると、している。

また、この遺伝的性質は、現代では疾患の要因になっている可能性があり、
・地域別に縄文人由来変異の保有率と現代の5歳児の肥満率の相関を調べると、縄文人らしさの高い地域の方が高い肥満率。
・また、好酸球が関係すると思われるぜんそく患者重症化率と縄文人由来変異保有率の相関を見ると、縄文人らしさが低い地域ほど重症化しやすかった。

 出所:「縄文人の痕跡を現代人に探る ゲノム科学で迫る先史時代」
   日経サイエンス 2023年12月24日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC223660S3A221C2000000/

四国から近畿、北陸と渡来人的遺伝子の割合が相対的に高い地域が続いていることが示されていて、興味深い結果となっていますね。