「人間は何の為に生まれて来たか」
人は、自分の「心」を深く知ろうとはしないものです。
ところが、誰でも自分のことはよく知っていると思っています。
でも本当は何も知らない、だから人様に迷惑を掛けて平気だったり、
人を殺めたり、自分の命を絶って楽になろうと考えたりするのです。
人は誰でも、生まれてきた「縁」があるはずです。
それをある程度自分で掌握しておかないと、人生に於いて何か問題が
あった時に、ずいぶん悩む事になるのです。
私達人間は、「宿業の余罪重障にして一時滅尽」とあるとおり「前世での行ない(業)に罪が
あったのです。
「前世の罪の償い」の為に生まれてきたのです。
「前世の事なんか知らない」と言いますが、それは「無明」と言うことです。
誰でも赤ん坊の時の自分を覚えていない様に、前世の自分を忘れているのです。
何も覚えていない「無明」が人間の「苦」の根本原因になる事は明白です。
人間は、ちゃんと意味があって生まれてきているのです。自分勝手にはいかないのです。
人間は誰でも「宿業の余罪重障」と言って、前世の余罪と今世の罪とが重なって、
障害となって表れてきます。そして、人生のいたる所でその償いをさせられるのです。
何が重なるかと言うと、前世で自分が犯した罪と、生まれて今日までの善悪、つまり「現業」
が重なって今、貴方の前に障りとなって出ていると言うのです。
そこで、私達はその苦に悩まされる事になります。
前世の罪ですので自覚ないけれども、その原因は「全部自分だ」と受け止めてやっていけば、
問題は解決します。それが目に見える現象に惑わされて、ああだ、こうだ、と勝手な判断をし
ていくと大変きついものとなってしまうのです。
日頃から人様の為になる事をさせて頂く、徳を積むことを心がけていきたいもので
す。