「輪廻転生」について その1
*「輪廻」とは
この宇宙が存在している間に生まれてきた人間はどうなるか、宇宙と同じように、
それぞれが生きている間に様々な「善・悪業」によって、来世において再び生まれ
てくるという。
これを永遠に繰り返す事を「輪廻」という。人間は「六道」を輪廻すると言われる。
*業(ごう)と輪廻の繰り返し
人間は、生きている間の各自の「業」により種々の形をとりながら永遠に輪廻を
繰り返すと言われる。
「業」とは、サンスクリット語の「カルマン」の翻訳です。意味としては「行為」と言う
事です。この「業」には、〈身体による行為、言語による行為、心による行為〉の全
てが含まれる。
いったん何らかの行為が行われると、必ず何らかの結果に対する原因となる。
もし業が善業といえるようなら、神となったり、人間となったりして生まれるが、悪業
ならば動物として生まれたり地獄に落ちる事になったりする。すなわち、過去の業
の結果が現在与えられている状態と言える。同じ様に各自が現在している業の善
悪に依って、未来(来世)の結果も決定されるのである。
*「六道」を輪廻する。「六道」とは
「地獄道」-「餓鬼道」-「畜生道」-「阿修羅道」-「人間道」-「天上界」の六道。
地獄・餓鬼・畜生の三つの世界は、輪廻する世界としては最も厭うべき世界として
描かれてきたので「三悪道」とか「三悪趣」と呼ばれる。
この中で人間が直接接する事ができる世界は「畜生道」だけであり、他の二つの
世界は仏典を通してのみ知らされる世界である。
*「地獄」に落ちる悪業とは
六道輪廻の中で最も下にあるとされている「地獄」の1~8大地獄に落ちる行為とは
第一地獄・・・生前に殺生をした者。(等活地獄)
第二地獄・・・生前に盗みをした者。(黒縄地獄)
第三地獄・・・生前に邪(よこしま)な男女関係をなした者。(衆合地獄)
第四地獄・・・アルコール飲料を飲んだ者。(叫喚地獄)
第五地獄・・・嘘をついた者。(大叫喚地獄)
第六地獄・・・正しくない思想を信じた者。(焦熱地獄)
第七地獄・・・戒律をきちんと守っている尼僧を犯した者。(大焦熱地獄)
第八地獄・・・「五逆罪」を犯し、大乗の教えを誹謗した者。(阿鼻地獄)(無限地獄)
*「五逆罪」とは
①父を殺す。②母を殺す。③聖者を殺す。④仏を傷つける。⑤仏教団の平和を乱す。
*重要な事は、いったん地獄に落ちたとすると、非常に長期間に亘り、そこで苦しま
なければならないのであるが、どの地獄でも必ず有期であり、決して永遠ではないと
言う。