ちょいといい話 -6- 禅の言葉
*「無功徳」(むくどく)こだわりを捨てて無心に。 達磨大師。
我々はどうしても見返りを求めてしまいます。仏様に対しては御利益を求めてしまう。
これだけのことをしたのだから人には感謝して欲しいとか、善い事が起こってあたり
まえとか。人の為と書いて「偽」となるのです。目立とうとしたり、ほめられようと
したり。競争社会の中で生きる者としては、これは当然のことかも知れません。
しかし、そこにある自我が煩悩を招くのです。それを戒めろ、と言っているのが仏教
なのです。
自然と発する心からの行為、それを善行というのです。善行ができるご縁をいただい
た、それだけで有り難いじゃありませんか。
もちろん善行を行なえる環境にありながら、悪いことばかりするかわいそうな人もい
ます。しかし、それは論外、「縁なき衆生は度難し」です。
やはり普段からコツコツと善行を積むことが大切だということですね。見返りを期待
したり求めることを想定してすることは善行とは言えないようです。