「春来草自生」(はるきたって くさおのずからしょうず)自然の摂理にさからはない。
仏性(仏様になる能力)は、全ての人が持ち合わせています。仏性を信じるというこ
とは、自分が本来持ち合わせた能力を信じるということです。
禅は、人を分け隔てなく照らしてくれます。そのところは学問に無いところです。
全ての人が持ち合わせている心で救われていくものだからです。これは理想論でも伝
説の話でもありません。
「覚悟」とは、悟りに目覚めると書きます。人には心のアンテナと言うものがありま
す。しかし、そのアンテナが大人になっていくにつけ埋もれてしまうのです。
「仏」と言う字は「私」という字の中に隠れているのです。
私たちは、大人になるにつけ知識と言うものを身に付けていきます。しかし、そこに
ある危険にまったく気付いていないのです。知識の中から区別や差別が生まれてくる
のです。自分の損得を考えて行動するのです。私さえ良ければいい、他人のことなど
どうでも良いと。もう一度自分の中にあるアンテナを呼び起こして見て下さい。
一人ひとりの自覚が、諸々の世の中の事件、戦争を抑止するもので、これが人間本来
の持つ自然の姿だと思います。------春来たって草自ら生ず------
禅の教えは奥深いです。誰もが人間本来の自然の姿に戻れればいいですね。