三浦俊彦@goo@anthropicworld

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ナンセンス系9

2011-01-06 03:21:00 | モンスター映画
 ■集団殺人クラブ■ このタイトルは何かな? 内容と全然関係ないよね。それと援交女子高生5人の方がなんか肝腎のタケゾーよかずっとモンスターじゃねえの? そのへんにいそうな子らで現実味あって怖いってばよ。事故の隠蔽も死体遺棄も殺人もあんま考えずにさっさかヤッてくし、連動して画面がねえ。稚拙なコラージュと早回し頻用しまくって、ああいうのって、行動とストーリーのハチャメチャさをカバーしてんだか増幅してんだか。いじめられ役が殺されつつある最中にフラリと戻ってってリーダー格2人に土下座強要したり、友だちの首捧げ持って恐怖ダンス踊っちゃったり、洗濯機でぐるぐる回る逆立ちルーズソックスだったり、なかば盆踊りの二人三脚スタイルでブスブス刺しまくったり、殺意があるんだかないんだかわからんタケゾーの背景不明な苦渋も、ドクターストレンジラブっぽい腕押さえ演技も、怖がってんだか面白がってんだか理解困難な女子高生らの無駄な喧嘩場面も、とにかく勢いで見せられちまった。敬服です。なんたってあの巻物にゃ大爆笑です。いつのまにか全員の名前把握しちゃってるのね。生き残りがヒロエだけんなったときにタケゾーったら名前呼び間違えてたみたいだけど。しっかしタケゾーのあの、ぬるこわキャラはなんとなく花輪和一っぽさも。とにかく見入りました。映画じゃなきゃできないことをちゃんとやってくれてる珍しい映画でした。こういうの心から大好きだわ、俺つくづく。ヒロエがだんだん可愛く見えてくるのもうっすら怖かったというか。しかしラストのカクレンボ場面は一体何だったんですかね。あれで無事ヒューマンに終わっちゃわないで巻物に戻って「またヤッちやっター」やってくれてひと安心だったけど。実をいうとフィナーレは全く予想通りだったんだけどなんか妙に騙されたような爽快感が残りました。
 ■亡霊の棲む家~犬木加奈子恐怖world~■ ん? なんだこれは? 地味ちゅうか全体おとなしめなホラーだけど妙に惹きつけてくれるぞぉ? 同じマンションの三組の夫婦の話が直接の関連なくパタパタッと続くのだが。ええなあ面白いなあ。ええ。水が関係しているらしいのだが、別にラストで水槽から行方不明の子どもの死体がきちんと発見されるわけでもなく、管理人がゾンビになる理由も明らかでなく、住人が対話不能になったりゴミに取り憑かれたりストーカー宅へ入れ替わったりやや手の込んだ事態を被る理由も定かでなし、うん、これいいっすよ。ホレ幽霊だ~的演出一切なし、かと思えばさりげなく盗撮というか窃視っぽい視界映像がマンション入口に多用されて効果濃密。拾いモノッす。
 ■恐怖列車■ 始めから走馬燈モチーフだと明かした上での進行なので、ナンセンス系とは言えないのだが、まあ現象的にナンセンスの見本展示なので。群がりゾンビがおっかなかったよう……。まさに悪夢風景ですな……。家族関係が不明になった室内といい、とぎれとぎれのテレビニュースといい、巨大ヤマンバギャルのけんけんといい、観覧車のラストといい、もともとあの3人の関係がただのキャピキャピじゃなかった変則設定の上でますます不条理感が増す。『集団殺人クラブ』の5人より何考えてんだか度がむしろ高い子らだからね、犯罪臭はなかったみたいだけど。全体どよ~んとしたムードが何とも怖いんです。だけど、これ怖いって感じるやつあんまいないかもな。路上や室内のスプラッター度もほどほどだし。だけど俺は怖かった。画面全体に、というより風景全体に見えない靄がかかったような雰囲気、あれ、とにかく怖かったです。
 ■ポゼッション■ こゆふに(てどゆふ?)しちゃえばそら、何でもありだわな、確かに。映画なんて案外楽なもんよ、いい意味でね。けどどうなんかなあ、あれじゃあ狂気の主体が嫁はんなんだか旦那なんだかわからせんわ。結局のところ。しょーもない痴話喧嘩延々と聞かされたわりには実り少なかったというか、あげくはハナシぐちゃぐちゃになりすぎて焦点拡散しきって終わってどーしてくれんのというか。ラストの思わせぶりな坊ちゃんドボンがなければほんとただの安易ハチャメチャ路線で終わってたってとこだろうな。モンスター映画期待して観た俺も悪いっちゃ悪いんだろうが、ああいうクリーチャーわざわざ3種類も用意したんだったら、もっとじっくり移動シーンなんぞも見せてくれるとかな。せっかくお目眼ぱちくりしてたことだし、ニュルニュル系のいい味出してたじゃんよ。巷では主演女優の体当たり演技が大好評の本作品のようですが、あの女優に別断興味ない私としては、そして路上ゲロシーンの類はそのテのAVにて見慣れちゃってる私であってみれば、ああいうのにポイント入れるのはちょっと無理ということで。終わり近くの化けもんとのセックスを旦那があんぐり目撃したシーン、紛れもなくハイライトだってのにあっけなく日常シーンへ切り替わっちゃうあたりは、ブーイングに値するでしょう(モンスターファンでなくたってこれ同意するのでは?)。マ、全体、ナイフだのピストルだの爆弾だのを振り回しすぎた感じだな、もっと心理劇風にやってほしかったな、てあたりが私の率直な感想ね。名作の誉れ高い廃盤作品ってことで一万六千円出して中古入手したわりにはインパクトが『マルホランド・ドライブ』レベルにとどまりました。いや、チョイ出にせよクリーチャーがウネウネしてくれたぶんこっちのほうが上かもしんないけど。
 ■ルナシー■ えーと、ヤン・シュワンクマイエル作品だけど、どうしたことかあまり面白くなかったな。期待しすぎたのかなあ。舞台はほどよく非現実的だったんで観ながらずーっと期待してたのに。
 ■運命人間■ ナンセンスというより「不条理」という程度だが、わりといいな。「ホラー番長」シリーズの中では一番よかったかも。
 ■山手線デス・ゲーム■ 理由もなく直感ですげー期待してたんだがな~。テンポ思ったより悪かったわ。min.jam、携帯電話向け1話約1分構成の連続ショートシネマシリーズってんで、濃密コテコテの一分刻みナンセンスを勝手に期待しちゃったんだが、ぬるかったなぁ、間延びしてたなぁ。どうしてだろ、やっぱ別段名作でもない代物に大きい期待かけすぎた俺が悪かったってことで。このテのは「掘り出しモノ」的「拾いモノ」式待遇が適切で、期待なんぞしちゃいかんかったのよ。って、まぁコントとして見りゃ並以上なのかなあ。笑えたのは魔法使いの女の子と、大塚製薬と、バイコキと(サンバイコキは要らねえっすよ)……くらいかなあ。間延びコーナーはラグビーとか武闘派ホームレスとか、ヤッパ長くしちゃダメだな、たったったーと突っ込んでくれなきゃ。でもまぁコメンタリー入りでもっかい見直してみようかなあ、なんか本編より面白そう。
 ■ねじ式■ 原作マンガのなぞりは終盤に入ってからか。なかなかひねった映画化だ。中盤まで昭和ロマン、あとはナンセンス全開と。しかしなんか物足りない。映画化の価値は十分感じられたものの、せっかくだから集団暗黒舞踏もっと見たかったかも。
 ■ローズ・イン・タイドランド■ うーん……。出だしのムードで、面白いかと思ったんだが……、期待外れだったな。おかーちゃんの死にたての骸を前にとーちゃんと娘がとっとと出発しちゃったり、こんどはおとーちゃんの死体に娘が淡々とお化粧したり、ま、とりあえず不条理っぽい場面入れときゃいいだろうみたいな安易な作りが目立つ。登場人物も障害者やらシャブ中やら、それとその前にバスんなかでおとーちゃん(たぶん)がオナラしまくったり、そんなんやったって良質のナンセンスにゃなりませんて。ナンセンスのつもりやないって言い訳しても、あの流れだとなあ……。あ、子役がうまかったことは認めます。つか、子どもとしちゃうまいって意味で、うますぎていかにも演技って感じで可愛げなかったけどね。ア、あと映像は綺麗でした。
 ■しんぼる■ あ~だめだこりゃ。全然だみだ。酷評は聞こえていたが、『大日本人』が良かったので期待して観た。しかしこれはだみだな。「わけわかんない」系の酷評が多いようだがそれだったらばまだよかったのよ。俺にとってはこれ、わかりやすすぎる。そしてつまんない。つまんないコント。白い部屋んなかじゃいちいち叫びすぎ。先が読めすぎ。寿司食うとことか、カットがいちいち長すぎ。もうそのシーンのオチはわかってるんだし。二度にわたるオナラネタにいちいち「くさーい」って注釈的叫びは不要というか邪魔っけ。そ、「いちいち」っていちいち指摘したくなるもどかしさなのよ。扉に向けてわざわざ不器用にスタート切るパターンもくどすぎだって。それと根本的にシンボル押して何が出てくるかはランダムだから面白いのであって、漫画本の先の巻が順々に出てくるとこなんかはギャグやってるつもりでランダムな不条理性を消してしまい、単に姿見えぬ管理人にからかわれているだけっぽくなっちゃった。プロレスパートとの絡みも希薄すぎて、だからこそいったん連動したからには徹底的にやんなきゃでしょ。あんな既成映像の流用じゃなくてね。シンボルを最初に押したときの部屋の反応がほんとあれハイレベルなCG・音響の出来映えだっただけに、ほーんと失望もの。室内コントがもうちょい洗練されてればなあ。ほんとくだらん作品。エンタメ放棄した時点でもっともっとアートにしといてよ。アートっぽく、だけでもいいから。

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