[香港 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国が、 上海で開かれた20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)から間を置かず追加緩和に踏み切った。人民銀行(中央銀行)は29日、預金準備率の50ベーシ スポイント(bp)引き下げを発表した。
今回の決定からは、中国の政策当局者が最近のローン増加よりも資本流出の影響を強く懸念していることがうかがえる。
意外だったのは前回の引き下げから思いのほか間が空いた点だ。前回の引き下げは昨年の10月下旬。その後の4カ月間に中国は大量の資本流出に見舞われ、中銀の外貨準備は1月末には3兆2300億ドルに落ち込んだ。
人民銀がドルを人民元と交換するたびに、国内の通貨供給量は減少する。従って預金準備率の引き下げは国内の流動性ひっ迫の緩和に役立つ。
今回の預金準備率引き下げは目を見張るような措置ではない。ナティクシスは、今回の引き下げに伴う銀行の新規融資の増加は6980億元(1050億ドル)と試算。一方、中国の外貨準備は前回の預金準備率引き下げ以降に3000億ドルも減少している。
ただ国内銀は今のところあからさまなひっ迫に見舞われてはいない。1月の新規融資は2兆5000億元とかなりの規模に上り、人民銀が融資の引き締めに動いたくらいだ。
懸念されるのは、こうした融資が多額の負債を抱えた企業の経営を支えるだけで、成長に結びついていないことだ。
この問題に対処するため、当局は今回の措置で自由になったキャッシュを、資本増による恩恵が最も大きいセクターに誘導しようとするかもしれない。
しかし恐ろしいのは、流動性の追加供給が資本のさらなる流出を招き、再び人民元押し下げ圧力になることだ。
そうなれば上海G20でも表明した、人民元相場の基本的な安定を維持するという中国当局者の約束が守られるか怪しくなる。
中国はバケツの穴を塞ごうと躍起だが、穴のあいたバケツに水を注いでいるようなものだ。
以上ロイター記事
中国首相が上海G20で表明した人民元の安定維持は、嘘だったでしょう!
バケツの穴に水のような人民元を注いでおり、おそらく人民元下落につながって行くと思われる。そして、通貨安競争が始まります。
中国経済の波乱が待っているようですね。