[北京 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国人民銀行(中央銀行)がいわゆる理財商品を中核とする「影の銀行」(シャドーバンキング)への監視を強化しつつあるが、効果はそれほど大きくないだろう。中堅銀行は資金調達と利益を理財商品に頼っている。
経済成長がなお中国指導部の優先目標である限り、影の銀行に属する人々は安心していられるだろう。
人民銀は金融セクターの過剰な与信を抑え込む取り組みを何年も続けている。7月には理財商品の一般投資家への販売を制限し、最小規模の銀行は市場への参入を禁止した。そして今後、人民銀は銀行の財務健全性を判断する際に、簿外の理財商品を考慮に入れる。関係者によると、最終的には与信量が行き過ぎている銀行は資本の上乗せを求められる可能性がある。
償還期間が短く一定のリターンを約束していることが多い理財商品は、中国で人気が高い。これまで銀行は理財商品が簿外にある限り、資本確保や貸倒引当金に関する規制を擦り抜けるために利用できた。リターンが相対的に高く、すぐに償還される点で個人投資家からの引き合いは強く、通常の融資を受けられない企業への与信枠を提供している面もある。
ムーディーズの推計では、今年上半期に中国の影の銀行の規模は19%拡大して58兆元(8兆5600億ドル)と国内総生産(GDP)の80%程度にまで規模が膨らんだ。
しかし理財商品で調達された資金は総じてより期間が長い資産に投資されるので、中国の金融システムの中心部分に資産と負債の大幅なミスマッチという危険をもたらす。その仕組みはねずみ講になぞらえられてきたし、自分が出資したお金が結局どこに向かっているかほとんど把握してない個人投資家が購入したがっているのも不安の種だ。
一方でこの問題の真剣な解決を目指すことは、来年の指導部交代を控えた当局としては政治的なリスクが高い。銀行に簿外の与信をバランスシートに強制的に計上させれば、政府が前向きの投資を促進している中で、融資の伸びを急激に抑えることになる。株価指数におけるウエートが大きい銀行の収入にも打撃を与える。
国内株式投資家の間には、人民銀行による簿外与信の締め付け方針に反応して銀行株を売る動きはほとんど見当たらない。本当に劇的な措置を実行に移すには指導部の承認が不可欠だが、そうした動きはまったく目に入ってこない。
●背景となるニュース
・中国人民銀行は商業銀行の財務健全性を判断する上で、今後は簿外の与信も考慮に入れる。ロイターが26日、3人の関係者の話として伝えた。
・関係者によると人民銀はマクロプルーデンス評価システム(MPA)において、銀行が販売しながらバランスシートに計上されていない理財商品も監視対象に含める方針だ。
・人民銀のチーフエコノミスト、馬駿氏は27日の国内メディアのインタビューで「現在人民銀は関連データを収集し、テストをしている。商業銀行に対して簿外事業のリスク管理強化の指導を続けていく」と述べた。
・現在のMPAは融資、債券・株式投資、非金融機関の預金が監視対象。関係者の話では、枠組みが修正されれば初めてで、金融システムの債務増加を抑える新たな手段となる。
・ムーディーズは中国の影の銀行セクターが今年上半期に19%拡大して58兆元と、GDPの80%超の規模になったと推計している。
以上、ロイター記事
>ムーディーズの推計では、今年上半期に中国の影の銀行の規模は19%拡大して58兆元(8兆5600億ドル)と国内総生産(GDP)の80%程度にまで規模が膨らんだ。
中国は、負の遺産を影の銀行にして表の銀行を優良に見せるやり方をやっており、インチキである。
嘘ついてインチキをやっている行為はいずれ、大きな地盤沈下を招き崩壊するでしょうが、数値のコントロールで中々、泥船も沈まないですね。
ただ、中国経済崩壊するときは突然来ると思います。
中国に進出している日本企業は帰ってくるべきですが、後で痛い目に合うまで気づかないんでしょうね。