国内男子ツアー「~全英への道~ミズノオープン」は、優勝を果たした破格の飛ばし屋チャン・キム(米国)を筆頭に全英オープン出場4枠を含む上位を海外勢が独占した。日本勢最上位は古田幸希の6位。全英出場4枠がすべて海外勢に渡るのは2011年以来2度目のことだった。
全英4枠を勝ち取ったのはいずれも海外勢…日本人選手は
■チャン・キムのレベルアップ
たびたびキムと練習を共にしていたというプロゴルファーの田島創志は、注目されがちな飛ばしだけでない小技のレベルアップを称賛する。「彼の課題はショートゲームとパッティングです。アプローチも出来るだけシンプルな打ち方にした方がいいんじゃないかという話はしていた。パッティングも順手で握ったりクロスハンドで握ったりいろいろ試行錯誤をしていて、その辺が上手くハマっていましたね」。
■海外勢上位独占について
上位を海外勢が独占した要因は「ボールをグリーンに止める力」という。「コースはグリーンが硬そうで風も強かった。そんな中、チャン・キム選手もそうですし、マイケル・ヘンドリー選手、ウォンジョン・リー選手などボールをグリーンに止められる選手が上に来た。ボールに与える回転力が高い」。風が強く地面が硬いコースが多いオーストラリア勢や、アリゾナを拠点にするキムが勝ったことはコンディションへの対応の経験値差が顕著に出たといってもいい。
そうしたコースコンディションに加えて、田中秀道が施したセッティングも日本勢に重い課題をつきつけた。「例えば3日目のバックナイン中継ホール。15番、17番はフォロー風での手前ピンでいかにボールを止めるか、18番はサイドの風での手前ピンでのボールコントロールを、秀道さんが身につけろと示してくれてるという感じ。セッティングが日本勢に足りないものを教えてくれたんじゃないですかね」。海外で戦った経験がある田中だからこそのホールロケーション設定は、田島自身にとっても参考になる部分が多かったという。
「今回海外勢が上位を独占したからと言って僕は否定も肯定もないです。今までの日本では十分だったのが海外では足りなくなっている。日本でも海外で戦える選手を育てる方向にシフトしているので若い選手がそれを感じて、自分たちで練習して欲しい」。今年の悔しい結果が日本人選手のレベルアップの糧になれば、ツアーの取り組みとしては成功と言えそうだ。
■今週も選手の力が試されるセッティング
今週の「日本ゴルフツアー選手権 森ビル杯 ShishidoHills」は田島がホールロケーションを担当する大一番だ。「ショット力が必要となるので、ミスした時に追っかけないでダブルボギーをいかに打たないか。フェアウェイキープした時にグリーンヒットできるように。マネジメント、ショット、パター、メンタルが全部試されると思う」。宍戸ヒルズCCはツアー屈指の難コースであり今週もまた厳しい戦いが待っているが、今まで日本のセッティングで十分だった技術や力が、海外を見据えたセッティングではまだまだ足りないことを教えてくれている。
田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会コースセッティング・アドバイザーを務める。
以上、アルバニュース
日本選手はパワー的に外国選手に劣るため、小技の技術を磨かないと勝てないと思う。田中秀道とか、丸山茂樹もアメリカツアーを経験しており、実感していると思う。
そういう経験に基づいてコースセッティングをアメリカ並みにすることが、日本ツアーのレベルアップにつながると思うが、男子ツアーの会長青木功さんがアメリカレベルまでスキルアップを図ることを構想しているのだろうか?
これじゃ、東京五輪もさびしくなります。