日本と米国が「同盟強化」を加速させている。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて国際秩序の根幹が揺らぐなか、岸田文雄首相とジョー・バイデン大統領は先週の日米首脳会談で、習近平国家主席率いる中国の軍事的暴走を阻止するため、「防衛力の抜本的強化」「防衛費の増額」「防衛協力の拡大、深化」などで一致した。バイデン氏の「(台湾有事の)軍事的介入」発言の真意とは。一方、中国とロシアは、爆撃機などを日本周辺に展開させて、恫喝(どうかつ)してきた。北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返している。日本は、国民の生命と財産を守り切れるのか。産経新聞論説副委員長の佐々木類氏による集中連載。
◇
米国は国務省内に「チャイナ・ハウス」という新たな対中戦略チームを発足させる。中国が習近平国家主席の下、「国内ではより抑圧的に、国外ではより攻撃的になった」(アントニー・ブリンケン米国務長官)ことに対応するためである。国防総省や議会との調整にも当たる。
米国の動きは、同盟国・日本にとっても歓迎すべきものだ。今まで以上に「連携の強化」を働き掛けていかねばならない。
ここで確認しておきたいことがある。米国の外交・安全保障政策は、ブリンケン氏や、ドナルド・トランプ大統領時代のマイク・ポンペオ国務長官など、脇役の発言をフォローしておけば、読み間違えることはまずないということだ。
米大統領の権限は強大だが、「米国は大統領の個人商店ではなく、百貨店である」という当たり前のことを前提に、外交・安保政策を読み解いていく癖をつけておきたい。
それにしても、バイデン氏の訪日時の共同記者会見は、なかなか味わい深いものであった。
高齢(79歳)のため失言したとも受け取れる言い方で「本音」を口にしたバイデン氏と、米国人記者の質疑応答のことである。米国大統領をつかまえてこう言っては失礼だが、「スリーピー(眠そうな)・ジョー」の真骨頂だ。
バイデン氏は23日、岸田首相との日米首脳会談後の共同会見で、米国記者から「台湾防衛のために軍事的に関与するのか?」と問われた際のことだ。まるで、待ってましたとばかりに、こう答えた。
「イエス(もちろんだ)」「それが、われわれのコミットメント(約束)だ」
ブリンケン氏も26日、首都ワシントンでの講演で、米国の台湾の独立を支持しないという政策に変わりがないとしつつ、「台湾防衛に関与を続ける」と明言した。
何よりも米国には「台湾関係法」がある。台湾防衛は義務ではないため、台湾有事でどう対処するかについては、「あいまい戦略」をとってきた。こうした台湾をめぐる従来の安全保障戦略から大きくかじを切ったのが、バイデン氏の発言だったのだ。
問題なのは、日本自身である。バラク・オバマ政権時代から、首脳会談や外相会談をやるたびに、沖縄県・尖閣諸島をめぐり、日本の防衛を義務付けた「日米安保条約第5条の適用」を明言してもらって胸をなでおろすことを繰り返してきた。
それはそれで大事なことなのだが、行動が伴わなければ意味がない。残念なのは、政治が国民世論から何周も遅れていることだ。明らかに国会の怠慢である。
「核共有」「独自の核保有」岸田首相は議論喚起せよ
産経新聞社・FNNが21、22両日に実施した合同世論調査では、防衛費のGDP(国内総生産)比2%以上への引き上げについて、「2%以上に増やすべきだ」(15・1%)と、「2%以上でなくてよいが増やすべきだ」(46・9%)の増額を求める回答が6割以上となった。
座して死を待つことを拒否する「敵基地攻撃能力の保有」について聞くと、「必要」とする回答が64・7%だった。
岸田首相は防衛力の抜本的強化のため、「防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明したことは正しいが、物足りない。岸田首相には、国民を守るため、米国との「核共有(核シェアリング)」や「独自の核保有」も含めたタブーのない議論を喚起してもらいたい。
ウクライナ侵略で核恫喝するロシアに対し、米欧諸国が軍事的に直接介入できないでいる事実を、習主席の中国が学んでいることを知らないわけではあるまい。
特に岸田首相は、広島という原爆被災地の選出だからこそ、日本国民が「3発目の原爆投下」という大量殺戮(さつりく)の被害に遭わないためにはどうすべきなのか、真摯(しんし)で迅速な議論を主導してもらいたい。
■佐々木類(ささき・るい) 1964年、東京都生まれ。89年、産経新聞入社。警視庁で経済・組織暴力事件を担当後、政治部で首相官邸、自民党など各キャップ、政治部次長を歴任。この間、米バンダービルト大学公共政策研究所で客員研究員。2010年にワシントン支局長、九州総局長を経て、現在、論説副委員長。沖縄・尖閣諸島への上陸や2度の訪朝など現場取材がモットー。主な著書に『チャイニーズ・ジャパン』(ハート出版)、『日本が消える日』(同)、『日本復喝!』(同)など。
以上、産経新聞
バイデンも岸田も操り人形です。
台湾有事で軍需産業が儲かるシナリオで動いているので、日本には防衛費を上げろと言われている。それを受けて防衛費を上げるとパペット岸田は発言している。国を守らないといけないが、国産の武器にお金を使うべきであり、日本人の血を流さないために富国強兵を日本はやらないといけない。
強い日本にして外国から侵略されない国造りが今、求められる。