NTTは4年ぶりの社長交代で、労務・人事畑を歩んできた島田明社長と技術畑の澤田純会長という新体制の下、GAFAなどの海外勢に対抗するための組織再編を続ける姿勢を強調した。ただ、国内の競合企業からは「澤田氏が今後もNTT再編を牽引(けんいん)するだろう」との見方が出ており、巨大化するNTTへの警戒感も強い。
島田氏は12日の記者会見で「変革路線を引き継いでやっていきたい」と語り、澤田氏が進めてきた組織再編などの変革や海外事業の強化を継続させる方針を表明。澤田氏も「まだ走っている施策があるので責任を共有する」と、NTTの社長退任後としては異例の代表権のある会長に就任する理由を説明した。
澤田氏は社長退任やグループの社長交代などの人事を断行した理由について、昨年発覚した総務省幹部への接待問題や新型コロナウイルスの流行、ロシアによるウクライナ侵攻などの環境変化の激しさを挙げた。
しかし、澤田氏に対しては、総務省との会食判明後も続投したことを批判する世論が根強く、推進してきたNTT再編についてもグループ内の軋轢(あつれき)が増したとの声が聞かれる。関係者は「澤田氏は社長を退いて会長として〝院政〟を敷き、グループ戦略を今後も進めるのだろう。島田氏は労務畑の経験を生かしてグループ内の調整役に当たることになるのでは」と分析する。
NTTとしては海外のIT大手に大きく引き離された現状を立て直すため、次世代通信規格「6G」向けの光通信技術「IOWN(アイオン)」への取り組みなど技術的な実績も豊富な澤田氏が、今後も実質的にグループ再編を牽引する意味は大きい。ただ、競合のソフトバンクの宮川潤一社長が「NTT再編は脅威だ」と強調するように巨大化への懸念もある。会食問題でNTTとの癒着が指摘された総務省には公正な競争環境の維持に向けた対応が求められる。(大坪玲央)
以上、産経新聞
昔は、世界に冠たる電電公社でした。
電気通信の技術はトップクラスでしたが、民営化後は、ドコモは移動通信を牽引しました。
本体のNTTの方は、動きが見えなかったのですが、6Gで世界に冠たるNTT復活してほしいものです。