はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
牧知花&はさみのなかま名義の作品、たっぷりあります(^^♪

近況報告2024 12月 その4

2024年12月29日 10時19分49秒 | Weblog
唐突ですが、本日より活動を再開することにいたしました。

それというのも、従姉からの連絡で、本当に先の状況が見えない、ということがわかったからです。
かなり遠方に行くため、この数日、準備をしなければならず、さらに電話をひたすら待つ必要があったので、お休みをいただきました。
どうぞご了承ください。
(なにせスーツケースを買うところから始まった)

状況は、すぐに変わってもおかしくないようです。
逆に、かなり時間があるかもしれず、ほんとうに、わかりません。
待つのもつらいですねえ、こういうときは……

今日からすこし時間が空きましたので、活動を再開することにしました。
それと、もし何日も空けるにしろ、予約投稿していくことにします。
四日くらい予約していけば、なんとかなりそうです。

そういったわけで、近況でありました。

さいごに。
12月24日の10時にサイトのウェブ拍手を押してくださった方!
遅れてすみません、どうもありがとうございました!(^^)!
とても励みになりましたー!
これからもがんばりますね。
どうぞいいお年をお過ごしくださいませ(^^♪

みなさまも、インフルエンザが猛威を振るっておりますし、どうぞご自愛くださいね。
わたしも十分に気をつけます。

ではでは、またお会いしましょう('ω')ノ

牧知花

赤壁に龍は踊る・改 一章 その13 良薬は口に苦し

2024年12月29日 10時19分42秒 | 赤壁に龍は踊る・改 一章
それからは話がとんとんと進んだ。
孫権は、同盟することを約束した書状をしたためると、孔明に手渡しをした。
さらに待ちかねていた家臣たちの前に立つと、開戦すると宣言。
張昭《ちょうしょう》らはおおいに嘆き、孫権にすがりつかんばかりに考え直してくれと説得をはじめたが、孫権はかれらを冷たい目で見やるばかりだった。
魯粛が何を言ったのかは、孔明には想像するしかできなかったが、孫権に与えた助言は、まさに良薬は口に苦しのたとえどおり、かなり苦いものだったようである。


同盟が成《な》り、開戦が決定ということで、孔明たちもいったん、柴桑城市《さいそうじょうし》にある客館に行くこととなった。
魯粛が先導してくれるかと思いきや、かれはまだ用があって、孫権のそばから離れられないという。
「孫将軍のお心が変わらないよう、そばにいないといけないからな」
と、魯粛は言った。
「いまはあんな風に怒ってらっしゃるが、なんといっても張子布どのらは孫将軍にとっては身内のじいさんみたいなものだ。
あんまり長くへばりつづけられていれば、また降伏したほうがよいのかと思われかねん」
それはそうだ、と孔明は応じたが、気になってたずねた。
「子敬どのは、孫将軍に何と言われたのですか?」
それはな、と魯粛はすこし周りを気にしてから、だれもいないとわかると、孔明の耳に口を寄せてきた。
「孔明どのの言った通りで、おれたち豪族は曹操に重く用いられるだろうが、豪族じゃない孫将軍は、首を斬られてしまうか、奴婢同様にあつかわれるか、どちらかでしょうと言ったのさ」
孔明は思わず身じろぎをして、目の前の眉の太い策士をまじまじと見た。
「ずいぶんはっきり言われたものですねえ」
「事実だろう?」
「確かに……それで、孫将軍は自分よりいい目に遭うであろう家臣たちに、あんな目を向けておられるというわけですか」
「降伏した場合の、ご自分の立場が明確になって怒ってらっしゃるのさ」
「怒りはなによりも強い動機になりますよ。ところで、これから子敬どのはどうされるおつもりか」
「ダメ押しをする」
「どのように」
「鄱陽《はよう》にいる、周公瑾どのに柴桑《さいそう》に来ていただくのだ。
孔明どのもよく知っているだろう。天下の美周郎さ」
「孫将軍の実兄の義兄弟……つまりは、兄に等しい方、というわけですね」
「公瑾どのは、江東の地を平定するのに孫家がどれほど血を流してきたか、それをよく知っている。
だから、まちがっても曹操に降伏しようなどとは言いださないだろう。
孫将軍と美周郎と揃えば、もう張子布《ちょうしふ》(張昭)どのら降伏派も黙らざるをえまい」


なるほど、と孔明は納得した。
美周郎の名は江東ばかりではなく、荊州《けいしゅう》でも鳴り響いている。
ありとあらゆる美質に恵まれた人物であるという評判も聞いていた。
小覇王の義弟でもある周瑜が開戦派につくなら、孫権のこころは、もう動くまい。
「暇をみつけたら、あんたたちの客館にも顔を出すよ。しばらくゆっくりしていてくれ」
そう言って、魯粛はまた柴桑城の城内の奥深くへ戻っていった。


つづく

※ お待たせいたしました、本日より連載再開いたします。
近況については、別記事でおしらせいたしますー。

近況報告2024 12月 その3

2024年12月28日 11時09分09秒 | Weblog
お休みをいただいております。
連載を楽しみにしてくださっていたみなさま、申し訳ないです;

25日に我が家に危篤の連絡が入ってから、げんざいまで、かなりバタバタしていましたが、いまは……なんといっていいのか、ともかく移動するにもできないので、ひたすらじっとして、電話の前で待機しているところです。
すぐに駆け付けられる距離じゃないので、じっとしているしかできないのです。
だいたい、飛行機に乗れない家族が揃っておりまして、なんとみんなで、遠路はるばるJRを使って、乗り継ぎ、乗り継ぎの大移動となりますが、年の瀬ということもあり、切符もとれるかどうか……とと、愚痴を言っている場合ではありませぬ。

ともかく、先が見えない状況で、連載をどうしたらいいか、迷っています。
予約投稿をしていくか?
年末年始はお客さんが少ないのが毎年の常なので、1月から連載再開ということにするか?
だいたい、年明けにどうなるか? 
いつ行くことになり、いつ頃、帰ってこられるのか?

どうしたらいいかなあ……

あっと、また呼ばれている。
行かなくちゃ。
いったん、お知らせでございました。
また状況が変わり次第、連絡させていただきます!
ではまたー。




急遽、お休みのお知らせ

2024年12月25日 10時19分41秒 | Weblog
クリスマス当日になんですが、身内が危篤となりました(初夏から秋にかけての家族問題の当事者とは別)。
まだどうなるかわからないのですが、その身内がかなり遠方に住んでいて、くわえて年末年始と言うこともあり、たくさんの準備が必要そうです。
いまもかなりバタバタしておりまして、申し訳ないのですが、しばらく創作活動をお休みさせていただきます。
状況が変わり次第、また連絡させていただきます。


牧知花


赤壁に龍は踊る・改 一章 その12 説得 その2

2024年12月24日 10時10分50秒 | 赤壁に龍は踊る・改 一章
「孔明どの」
孔明から目線を外さず、孫権は静かに言う。
「そこまで言うのなら、貴殿らが戦えばよいではないか」
「戦うつもりでおります。たとえ地の果てに追いやられようと、われらは戦うことを止めませぬ」
「なぜに」
「知れたこと。われらが劉備は、漢王室の末裔だからです。
父祖の名誉のためにも、降伏はしない。だからこそ、当陽でも万を超す兵を相手に戦ったのです。
降伏するのは臆病者のあかし。われらには、偽の漢の丞相に屈する膝はない。
それは将軍もおなじではありませぬか。
何を悩まれます? 重臣の方々が、将軍に開戦を思いとどまらせようとしているからですか」
「ほかの者は関係ないっ」
不快さをあらわにして、孫権は言った。
「わたしが劉豫洲《りゅうよしゅう》(劉備)とはちがい、臆病者だというのか!」
「ちがうというのであれば、答えは明解ではありませぬか。開戦。ほかに選択肢はない!」
「しかし!」
「しかし、なんだというのです? 
将軍が降伏すれば、曹操はうまうまと血の一滴も流さず江東の地を手に入れましょう。
やつは荊州《けいしゅう》でそうしたように、この地の豪族らもうまく手なずけようとするでしょう。
しかし、将軍はどうでしょうな。そのあたりをどうぞご考慮ください」
「わしがどうなると?」
「それは、ご自身で考えられたがよろしいでしょう」
孔明が頭を下げると、孫権は忌々しそうに顔をゆがめ、
「更衣に行くっ」
と立ち上がって、去ってしまった。
そのあとを黄蓋と魯粛が追いかけていく。


残された孔明と趙雲は、孫権のいなくなったあと、しばらくたがいに黙って緊張の余韻をあじわっていた。
ほどなく、趙雲のほうが口をひらいた。
「あれでよいのか」
「よい。もう一押しだ」
いや、魯粛が追いかけていったからには、もう大丈夫かもしれないと、孔明は思った。
絹の衣の下は汗だくである。
もう秋も深いというのに、日の差さない奥堂にいながら、すこしも寒さを感じない。
「子龍、仮に将軍がこころを変えず、われらの首を曹操に送らんとしたなら、悪いがひと暴れしてくれないか」
「もちろんだ、おまえといっしょに夏口へ帰るぞ」
「いや、それではわたしがあなたの足かせになってしまう。
あなただけでも、なんとしてもわが君のところへ戻ってくれ」
「そんなことができるか。主騎の名が泣く」
「泣くだろうが、しかし、そこをあえて命ずる。なんとしても、夏口に帰れ。よいな」


趙雲がなおも反駁しようとしたところへ、足音がふたたび近づいてきて、孫権と魯粛、そして黄蓋が戻って来た。
黄蓋の顔は固く緊張していて、孫権の表情も、さきほどよりもっと蒼かった。
だが、その後ろに控えている魯粛の顔色を見て、孔明はほっと肩の力を抜く。
魯粛は黄蓋と孫権に気取られないようにしながらも、満面の笑みを見せていた。


「孔明どの、わたしの心は決まった」
孫権は震える声で言う。
更衣に立ったあと、魯粛はなにか決定的なことを孫権に告げたらしかった。
声が震えているのは、恐怖のためというより、怒りのためだということは、そのこめかみに浮いた青筋でわかる。
「開戦じゃ。劉豫洲にも、その旨、すぐに伝えてくれ」
「では」
「貴殿らと組み、曹操に目にもの見せてくれよう!」
孫権は目を怒りでぎらぎらさせて、吼えるように言った。


つづく

※ 孫権の説得に成功し、さて、使命を果たした孔明ですが、このあとは前作とちょっとだけちがう展開になっていきます。
どうぞおたのしみに!
そして、メリークリスマスですねー! と言っても、わが家はささやかに、いつもよりいい食事を作って食べるだけ……
みなさま、よいクリスマスをお過ごしください(^^♪

新ブログ村


にほんブログ村