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帯とけの枕草子(拾遺七)唐衣は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なる言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子(拾遺七)からきぬは
文の清げな姿
唐衣は、赤色。藤。夏は二藍、秋は枯野。
原文
からぎぬは、あかいろ、ふぢ。夏はふたあゐ。秋はかれ野。
心におかしきところ
色豊かな女の心身は、赤色、淵(深い)。夏(暑い時)は二合い、飽は涸れ野。
言の戯れと言の心
「からきぬ…唐衣…上に着る女の衣…空心…色豊かな女の心身」「から…唐…空…中身がない…色彩豊か」「衣…心身を被うもの…心身の換喩」「赤色…元気色…燃え色」「ふぢ…藤…ふち…淵…深い」「夏…暑い時…それでも二合い」「ふたあゐ…二藍…青紫色…二合い…(暑いけれど)二合い」「合…和合」「秋…飽き…飽き満ち足り…厭き」「かれの…枯野…襲の色目の名…涸れ野…果てた平野…飽きは山ば無し」
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。