■■■■■
帯とけの枕草子(拾遺九)汗衫は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なる言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子(拾遺九)かざみは
文の清げな姿
汗衫(下着)は、春はつつじ(表は白、裏は濃い紅色)、桜(表は白、裏紫色)。夏は青朽葉色、朽葉色。
原文
かざみは、春は、つつじ、さくら。夏は、あをくちば、くちば。
心におかしきところ
彼さ身は、張るは少しづつ、咲くら。暑い時は、吾お朽ち端、(飽き待たず)朽ち端。
言の戯れと言の心
「かざみ…汗衫…下着…彼さ身…おとこ」「か…彼…あの」「さ…それ…あれ」「春…張る…緊張する…膨張する」「つつじ…躑躅…色目の名…つつしる…少しづつ食らう…少しづつものいう…途切れとぎれにうたう」「さくら…桜…色目の名…おとこ花…咲くら…お花さく状態」「ら…状態を表す」「あをくちば…青朽葉…色目の名…青いまま朽ちるは…吾お朽ち端」「は…葉…端…身の端…おとこ」。
枕草子はおとなの女の読物。女たちが「をかし」と読めるもの。それ以上の文芸ではない。まして、それ以下の味気ない文ではない。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。