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帯とけの枕草子(拾遺十二)薄様色紙は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なる言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子(拾遺十二)うすやうしきしは
文の清げな姿
薄様の色紙は、白いの、紫、赤いの、刈安草染、青いのも良い。
原文
うすやうしきしは、しろき、むらさき、あかき、かりやすぞめ、あをきもよし。
心におかしきところ
薄様の色士は、白らじらしい、斑咲き。元気色、かりやす初め、若きも好し。
言の戯れと言の心
「うすやう…薄様…薄く抄いた(紙)…(情の)薄いさま」「しきし…色紙…色士…色男…色し…色おとこ」「白…白紙…白々しい」「赤き…赤色の…元気色の」「かりやすそめ…茅の一種の草を染料とする染め…かりやす初め」「かり…ひきぬく…つみとる…めとり…まぐあい」「や…感嘆・疑問詞」「す…洲…巣…女」「染…初…初めて」「青…若い色」「も…さらにもう一つ添える意を表す…意味を強める」。
この章は、男の品定め。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。