帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの枕草子(拾遺十二)薄様色紙は

2012-02-21 00:09:07 | 古典

  



                     帯とけの枕草子(拾遺十二)薄様色紙は



 言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なる言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。



 清少納言枕草子(拾遺十二)うすやうしきしは


 文の清げな姿

 薄様の色紙は、白いの、紫、赤いの、刈安草染、青いのも良い。


 原文

 うすやうしきしは、しろき、むらさき、あかき、かりやすぞめ、あをきもよし。


 心におかしきところ

 薄様の色士は、白らじらしい、斑咲き。元気色、かりやす初め、若きも好し。


 言の戯れと言の心

 「うすやう…薄様…薄く抄いた(紙)…(情の)薄いさま」「しきし…色紙…色士…色男…色し…色おとこ」「白…白紙…白々しい」「赤き…赤色の…元気色の」「かりやすそめ…茅の一種の草を染料とする染め…かりやす初め」「かり…ひきぬく…つみとる…めとり…まぐあい」「や…感嘆・疑問詞」「す…洲…巣…女」「染…初…初めて」「青…若い色」「も…さらにもう一つ添える意を表す…意味を強める」。



 この章は、男の品定め。


 伝授 清原のおうな

 聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)

 原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。