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帯とけの枕草子(拾遺十四)筆は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なる言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子(拾遺十四)ふでは
文の清げな姿
筆は冬毛、使うも見目も良し。兎の毛。
原文
ふでは、ふゆげ、つかうもみめもよし、うのけ。
心におかしきところ
夫手は、柔らかげ、使うも見めもよし。浮の気。
(夫手は、冷たげ、使うも見めも、それでいい、憂の気)。
言の戯れと言の心
「ふで…筆…夫手…彼の手」「手…身体の一部…手段…手法…技巧」「ふゆげ…鹿や兎等の秋に生え換わった冬用の毛…夏毛より細く密集していて柔らかく暖かそうに見える毛…冬げ…寒気」「ふゆ…寒い…冷たい…情がない」「け…毛…気…気配…気分…心地」「よし…良し…好し…縦し…ゆるす…不満でもやむを得ない…どうにも仕方がない」「うのけ…兎の毛…浮の気…浮気…妻は天にも浮かぶ心地…憂の気…いやな気分…わずらわしい心地」。
女の気分を浮き浮きさせるのも、厭と感じさせるのも、夫君のお手(手の感触・手法・お手なみ)による。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。