情報の例として測定値情報を取り上げます。
検出器は、最も簡単な測定器です。
有毒ガスを検出したときパルスを出力する検出器を考えます。
このパルスの利用法には次の2通りがあります。
(1)パルスのエネルギーを利用して警報ブザーを鳴らす場合には、わざわざ情報という用語を使う必要はありません。
何故なら、必要以上の概念を使うことを禁じたオッカムの剃刀に反するからです。
(2)警報ブザー側でパルスの有無を判定して利用する場合には、このパルスが有毒ガス検出という情報を表現していると言えます。
何故なら、このパルスから”有毒ガスの有無”という情報が得られるからです。
この場合、パルスは一種の記号として解釈できます。
抽象的な概念である情報は、物質的属性に還元することは不可能です。
情報をコンピュータその他に利用するときには、情報を何らかの方法により物質で表現する必要があります。
このような性格を持つ物質を情報表現物質と名付けます。
記録された記号、数字、文字などがその例です。
抽象的概念である情報は現実世界に実在しないので、これを測定者が読み取ることはできません。
測定値情報を情報表現物質で表現することにより、初めて測定者は測定値情報を読み取ることができるのです。
読み取った情報の意味は、測定者の脳内部で創発され意識化されます。
ロボットも測定値情報の読み取りはできますが、それはニューラルネットによるパターン認識によるものです。
もちろん、そこには意識化に相当するものはありません。
ロボットにできることは、読み取った測定値情報をロボット内部に蓄えられた他の情報と関連付けることです。
ロボットにとってその関連付けが情報の意味になると解釈できます。
詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!