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わて、宮崎学さんの著作からは色々と大事な事を学ばさせて頂いた。
この本は超一押しの書物です。
この一冊で何百冊位の重要な内容が集約されていて、学生運動の歴史的な因果関係を追体験して学ぶ事ができます。
この本は自ら学生運動の闘士として参画していた宮崎学さんが数十年を経て、かつての戦友や敵たちと存分に語り合い、時代の真実を描き出していった名著。
この書物には日本式政治活動家・理論的指導者の陥りやすい典型的な失敗パターンを読み取る事ができます。
この書物のエッセンスをわてなりに解釈して簡潔にまとめると次のようになります。
政治活動のリーダーや理論的指導者は活動に行き詰ってくると、場当たり的な事を言って行き詰りを誤魔化し打開しようとするようになってくる。
当時の学生運動は現実を無視した観念論に走っていった。
その派閥の中でそういう方向性に対して肯定的な人々が主導権を握るようになってくる。
そしてそういった方向性に対して懐疑的な人は派閥の中ではじかれてしまう。
そして派閥は敵や異端分子を作り想定する事によって組織の安定や団結を図ろうとする。
派閥の中で精神的高揚感が出てきて皆でそうした方向に突っ走って行ってしまう・・・
当時の学生運動の理論的指導者であった塩見は活動に行き詰って行って二つの打開案を提示した。
一つは戦闘によって打開する。
もう一つは海外に拠点を作る。
その派閥の中で二つの打開案の土台の上で差異化に走って次第に先鋭化していったのが、日本赤軍と重信房子だったという・・・
戦闘によって打開するという塩見の路線で先鋭化していったのが日本赤軍。
海外に拠点を作るという塩見の路線で先鋭化していったのが重信房子。
しかも、当時を実際に体験した人は闘う姿がカッコよくて女性にもてるといった風潮だったという。
宮崎学さんはそういった路線にはさすがに批判的だったという。
宮崎学さん自身が人生で二度精神的高揚感によって突っ走って人生がおかしくなってしまったという・・・
一つは学生運動でもう一つはバブルの不動産転がしで・・・
だが、こういった現象は宮崎学さんや学生運動ばかりでなく、日本型集団の典型的な失敗パターンとダブってくるではないか・・・
この書物から学び取れる結論らしきものは・・・
日本社会の風潮・潮流は常に疑ってかかる必要がある。
土台自体が間違っている事が多いからだ。
現実から離れた観念論に走ってはなるまい。
観念論や派閥に頼らずにあくまで現実の実態を詳細に調査した上で個人で判断を下さなければならない。
常に現実を見ろ!
現実を無視した誤った観念論の土台の上で派閥の中で競争し先鋭化していくと人生全般を台無しにしてしまう!