自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

幻のブルドーザー戦車の製作 その五

2024-01-26 13:28:34 | 模型

今日もとても寒い日です。

でも昨日より気温が上がっているせいか、屋根の雪が時々ドサドサ落ちてきます。

以前車が潰された事が有るので油断できません。

 

そんなさなか、やはりブルドーザー戦車の記事をアップします。

昨日の記事で、戦車の操縦の事をちょっと書きましたが、実際に操縦していた「丹羽次郎さん」の話で、操縦桿が4本有ると聞いてましたので、

フィギュアの大きさに合わせて操縦席を作りました。

操縦席はかなり狭かったと聞きました。

そして、排土板を上下動させるウインチ?を想像で作りました。

このウインチはエンジンの「デファレンシャルシャフト」に繋がっていて、エンジンの回転を前輪に伝えるデファレンシャルの回転を排土板のワイヤーを巻き上げるプーリーに伝えていたのでは無いかと思います。

実際は写真もなにも無いので分かりません。

これも想像で作っています。

後ろに立っているフィギュアが「丹羽さん」です。

低座型の方はこの様な形になりました。

使用したフィギュアは、タミヤの日本兵とソ連兵を使用しています。

服装が一番当時の物に似ていたので使用しました。

その当時、丹羽さんたちが着ていた作業服は、旧日本陸軍の軍服の古いものだったそうです。

時には足に「ゲートル」を巻いていたことも有ったようです。

軍服なら色が分かるのですが、私服らしきジャケットを着ている人もいて、白黒写真では全く色がわかりません。

これも想像で着色します。

こちらは高座型の車体です。

車体には砲塔を回転させるためのギヤのギザギザが有ったとのこと。

なので再現してみました。

実際にこんな形だったかどうか全く分かりませんが、なにも無いよりマシと思ったので、1ミリのプラバンを筋引ヤスリでギザギザにして、細くカットしてから砲塔の穴の内側に貼り付けました。

2台のブルドーザー戦車がだいぶ形になりました。

低座型の戦車は、エンジングリルがいつも開いていたようです。

この時点ではまだフェンダーや排気管のカバーがきれいな状態ですが、実際はボコボコでしたので、この後ボコボコにします。

 

続く!

 

 


幻のブルドーザー戦車の製作 その四

2024-01-25 11:12:41 | 模型

今日も雪が降っています。

こちら山陰では平地でも30センチ超えて積もりました。

今も雪がちらついていますが、大雪警報は解除されたようです。

 

そんなさなか、ブルドーザー戦車の製作記事を書いてます。

少ない写真から情報をかき集め、なんとか形になるように頑張りました。

写真で判断できる部分は、できるだけ写真に忠実に作ります。

溶接跡も再現します。

滑車を支えている部分は三枚の鉄板で構成されているのが分かります。

これらを1ミリと。0,5ミリのプラバンで製作します。

これは排土板を左右で支えているアーム部分ですが、「斜めの筋交い」が取り付けられているのでフランジを付けました。

このように斜めの角パイプが取り付けられています。

このへんはなんとか写真から判断しました。

戦車が3台ありますが、一台は実験用のサンプルです。

とりあえずこのサンプル(タミヤ製)で形を作ってみて、写真と比較しておかしくなければ本番のファインモールド製のキットに取り付けると言う段取りで作っています。

一番上の物がタミヤ製の実験体です。

こちらが高座型ですが、本来、操縦席はこの足元より下の前方になるのですが、どうやって操縦していたのか?

このへんは、戦車に詳しい「小泉聡さん」が教えてくれました。

小泉さんは「日本の戦車」という本の編集をされた方なので97式戦車も詳しく知っておられました。

高座型の操縦席の構造が分からなく、四苦八苦していたら、小泉さんからこんなスケッチが送られて来ました。

車体下の前方に有る操縦桿からスケッチのようなリンケージを取り付け車体上の操縦席まで操縦桿を延長していたのでは?

という結論で、いくつかの写真を見ると、操縦席の前の衝立のような所に手を伸ばしている写真が有りました。

よく分かりませんが、衝立の裏側に操縦桿が付いていたとしか考えられません。

排土板の上下動もこのへんでレバー操作していたのではないかと思います。

この衝立のような部分の裏側に、いくつか操作レバーが有ったのでは無いかと思います。

実際にこの戦車を操縦されていた「丹羽二郎さん」は「操縦するレバーが4本有った。」と言われてました。

この画像も小泉さんから頂きました。

いろんなところからのサポートを受けて、地道にブルドーザー戦車の製作は続きます。


幻のブルドーザー戦車の製作 その三

2024-01-24 11:45:42 | 模型

今日はこちら山陰も雪が積もりました。

道路も除雪車が走っている状態です。

かなり寒い。

でも、今日もブルドーザー戦車の記事をアップします。

 

昨日からブルドーザーの顔とも言えるブルドーザーブレード(排土板)の製作をあげていますが、今日も排土板の製作です。

昨日は表面の仕上げを書きましたが、今日は裏面です。

この部分はかなり資料が少なく、丹羽さんの写真にも写っていない部分でも有り、多少見える形状から推測で作りました。

先ず、排土板の裏面には補強がたくさんあります。

何トンと言う土砂をすくうので薄い鉄板ではすぐに曲がってしまいます。

ただ、分厚い鉄板だと重くなるので、薄い鉄板を補強して組み立てて有るようです。

これにパーツを加えて、

こういう形状になりました。

更に細かいパーツを加えます。

排土板の真ん中に六角形の滑車が見えるので作りましたが、これが排土板にどう繋がっているのかがよく分かりません。

溶接されているのか?ワイヤーのようなもので繋がっているのか?

ここもかなりいい加減です。

排土板は、角度が変わるように設計されていたとのことなので、

アームと排土板の接点にフランジを付けました。

このへんもかなり想像で作っています。

この様な形で角度が付けられたのだと推測します。

間違っているかもしれませんが、当たらずとも遠からずと思います。

こんな調子で分からないなら自分ならどう設計するか?と考えながら作っています。

 

続く!


幻のブルドーザー戦車の製作 そのニ

2024-01-23 16:52:06 | 模型

今日はとても寒く、雪が積もってきました。

家の屋根はもう雪で白くなっています。

明日はもっと寒くなるかも知れません。

連日、書いている「幻のブルドーザー戦車」ですが、このブルドーザーのベースになった戦車の違いをちょっと説明します。

こちらが初期型

エンジンの放熱の窓が横に付いています。

なので、ここに銃撃されたりすると、内部のエンジンに直接ダメージが加わります。

なので、後期型は、

このように放熱の窓が表から見えなくなりました。

放熱の窓は外部の防弾板の内側からキャタピラに向けて熱を抜く様にしてあります。

横からの攻撃に対処した改良と言えます。

この後期型が高座型のブルドーザー、初期型が、丹羽さんの乗っていた低座型です。

基本的なエンジンやトランスミッションは同じ様です。

こちらが高座型に使われた97式戦車後期型。

こちらが低座型に使われた初期型です。

砲塔の形状がかなり違います。

主砲の長さもかなり違います。

このイラストは有名な「高荷義之画伯」の物ですね。

私が小学校の時代から見慣れた画風のイラストです。

もう何年も前に群馬の高荷先生宅まで会いに行った事が有りますが、非常に気さくで面白い方でした。

その時に先生がパッケージを書かれた「マクロス7」のガレージキットをお土産に頂きました。

今現在高荷先生は残念ながら仕事はされていないようです。

また、新作のイラストを見てみたいですね。

話をチハドーザーの製作に戻します。

このチハドーザーですが、やはり排土板(ブルドーザーブレード)と、それを上下に動かす為の滑車が特徴的です。

その滑車の製作ですが、

1ミリのプラ板を丸く切り抜きます。

こういう小さな丸は、ニッパでちびちびカットしてヤスリで滑らかに整えます。

大きな裁ちバサミでカットしても良いかも知れません。

滑車の基部ですが、1/35のサイズに拡大した写真を使いました。

写真をプラバンに写し取り、カットして0,5ミリのプラ板で独特のリブを作りました。

丹羽さんは、チハドーザーに乗り込む時、ここのリブに足をかけて登っていたそうです。

滑車の溝は2個で、小さい丸と大きめの丸と交互に貼り合わせて溝のある滑車を作りました。

出来上がった滑車を取り付けると、

このような形になりました。

この滑車の支え部分は他のチハドーザーと比べると長さが違う物があり、使う人が独自に改造して使っていたので、現場で違う形状のパーツを付けたチハドーザーが有ったと思います。

次に、排土板の溶接跡を再現します。

先ず、排土板にマスキングテープを溶接跡の部分が露出した状態に貼ります。

ここにラッカーシンナーで溶いたラッカーパテを筆で塗ります。

出来るだけうろこ状になる様に筆を押したり引いたりして塗ります。

パテが完全に乾燥する前にマスキングテープを剥がします。

パテが完全に乾いてからマスキングテープを剥がすと、パテも一緒にはがれたり、マスキングテープが剥がれなかって破れたりしますので、まだパテが柔らかいうちにゆっくりと剥がします。

これで溶接跡が出来ました。

まだまだ製作は続きます。

 

 


幻のブルドーザー戦車の製作 その一

2024-01-22 08:52:55 | 模型

昨日までの記事で、ブルドーザー戦車がどう言う物だったのか理解できたと思います。

戦後の大変な時期、東京からはるばるやって来た「ブルドーザー戦車」通称「チハドーザー」ですが、今回からそのジオラマの製作記事を書こうと思います。

以前に「じげ風呂」という山陰地方のブログサイトで同じ記事を書いてましたが、そのサイトが去年の3月に消滅したので、また、新たに製作当時を思い出しながら書いて行きます。

先ず、このブルドーザー戦車の製作に当って「ファインモールド」の社長様に97式中戦車のキットを2個無償提供して頂いた事に感謝致します。

というのも、12年前、このブルドーザー戦車のジオラマの製作に当って、戦車のプラモを手に入れなくてはならないと、米子ガイナックスの赤井孝美氏が静岡のホビーショーに出向き、戦車のプラモと言えば「タミヤ」だろうという事で、タミヤのブースに行った所、戦車の担当の方が留守だったので、話ができなかった所、なぜか赤井氏の後に「日本の戦車」の本を編集された小泉聡氏が立ていました。

本当に偶然だったそうで、「タミヤの担当の方がいないようで、」と赤井氏が小泉氏に話した所、「それならファインモールドを紹介します。」という事で、ファインモールドの社長さんと会う事が出来、ブルドーザー戦車のジオラマの製作の話をした所、97式中戦車の初期型と後期型の2種類を無償提供して頂きました。

その時、山陰で戦車のジオラマを作れる人を知らないか?とファインモールドの社長さんに聞いたら、「轍の会」という模型製作のグループがいるとの事で、赤井氏が米子に帰ってからネットで検索したそうですが、「轍の会」より、私のブログサイトに目がいった様です。

なぜなら、以前に「アニカルフェスティバル」というイベント用に、赤井氏がデザインしていた「アニカルっこちゃん」というフィギュアを作っていたからです。

後に、「アニカルっこちゃん」から「リトットちゃん」に名前が変わりました。

これがそのフィギュアです。

米子ガイナックスの赤井氏のデザインです。

このフィギュアは米子ガイナックスから製作依頼を受けた物ではなかったのですが、製作記事をネットに上げていたので米子ガイナックスのスタッフに見つけられたようです。

しかも、私が米子在住だという事も有って、一度話を聞いてほしいと連絡が有りました。

そこで、初めて米子ガイナックスのスタッフ、赤井氏と出会い、ここから長い付き合いになりました。

ジオラマの製作は決して簡単では有りませんでした。

キットの97式戦車は特に問題は無く組み上げて行けました。

さすが「ファインモールド」とうなるくらいの出来です。

タミヤもこの戦車を出してますが、かなり省略された部分もあり、ファインモールドとはかなり細かさが違います。

ただ、タミヤの場合、非常に組み立てやすい、初心者でも簡単に組み立てられるキットですが、ファインモールドのキットは、やたら細かいので、上級者向けのキットという感じです。

足回りだけでも圧倒的にファインモールドの方が細かい部品分割になっていて手間がかかりますが、リアリティーはスゴいです。

ここの部分は「ラジエーター」と思いますが、低座型のブルドーザー戦車はエンジングリルを開けっ放しにしている写真が有るので、それに習って開けた状態で作ります。

この写真のエンジン部分を見ると分かります。

エンジンの放熱を良くする為か?エンジングリルが開いてます。

他の写真でも開いているので、常に開いていたのだと思います。

なので、模型も開けている状態にしました。

排気管のカバーがエッチングパーツで組み立てる構造になっているので取り付けます。

ただ、この排気管カバー、現場ででこぼこに変形していた様ですので、後でぼこぼこにします。

ブルドーザーと言えばこの排土板、ブルドーザーブレードです。

この形状は、この写真から1/35原寸に拡大し、それを採寸して製作しました。

さすがライカのカメラ!良い写真です。

排土板の材料は1ミリのプラ板を貼り合わせて作っています。

この排土板はコネクトピンを抜けば角度を変えられたそうですので、それらしい感じに作ります。

丹羽さんが残してくれた写真を加工ソフトに読み込ませ、明るさや解像度を変えて色々見えにくい所を見てなんとか形状を理解しようと思うのですが、上から見た写真が全く無いのに気がつきます。

なので排土板の裏側は、かなり違う形状かも知れません。

こんな状況が延々続きます。

 

続く!