自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

幻のブルドーザー戦車の製作 その二十

2024-02-10 08:50:31 | 模型

幻のブルドーザー戦車の製作も今日で20回目となりました。

この企画自体形になるかどうかわからない状態でスタートして、なんとかブルドーザー戦車自体は形に出来ましたが、終戦直後位の時期の香取村(この当時はまだ香取という名前が無かった)がどんな風景だったかほとんど資料が無く、ただ、赤松の林だった。と言うことしか分かりませんでした。

なので、今現在の現場を見てきて想像するしかありませんでした。

香取の現場の一部の地域はまだ昔のままの姿だろうと思えるところが有ったので、それを参考にジオラマの樹木を作って行きました。

とにかく、先ずは「赤松」です。

近所の海で拾ってきた松の木の枝に電気のコードから作った枝を差し込みます。

これをよじって、

 

こんな枝を作り、

このシュロ縄をカットして

こんな松葉を作り、

銅線の枝に接着。

こんな松の木を製作、全部で18本作りました。

下の細い尖った草は、

これを使いました。

ヤシの葉を乾燥させて紐状にしたものです。

これを、

並べて紙のテープを木工ボンドで貼り付けます。

それを2つに折って、

この様な形にします。

更に、

カッターで先端を切りつけ尖らせます。

そうすると、こんな雑草が出来ます。

これに緑をエアーブラシで吹き付ければ山の中でよく見かける雑木林の雑草の感じになります。

地面にはカッターで溝を切り込み、そこに紙テープ部分を差し込んで接着します。

他には、これを使います。

低木の木や杉の木を作った「ミズゴケ」です。

ホームセンターで買えます。

松の木の幹と同じ銅線の枝の木ですが、ミズゴケを貼り付けて塗装するとこんな感じの杉の木になります。

このミズゴケは地面の雑草に使えます。

ミズゴケをちぎって木工ボンドで貼り付けてエアーブラシでグリーンに塗装します。

そうするといとも簡単に草原が出来上がります。

その草原を作る為、地面も火山灰特有の「クロボク」に塗装します。

現場から取ってきた土の色を参考にアクリル絵の具を調色しました。

それを地面の粘土部分にまんべんなく塗ります。

現場の地面は本当にこんな黒い土です。

試しに出来上がった松の木と戦車を乗せてみると、

これはまだ戦車の色が違いますが、こんなイメージになります。

戦車の製作と同時進行でベースも製作していたのでちょっと時間がさかのぼります。

松の木の他に杉の木も作りましたし、低木も多数作りました。

これは、フォーリッジクラスターのパウダータイプの物を銅線の枝に接着したものです。

スポンジの粉のような素材です。

とにかく人の手の入らない原生林の様な雑多な植物が生えているイメージなので、いろんな形の木を作りデタラメに配置します。

ジオラマベースの塗装が乾いたら、次の段階の草原化をします。

続く!

 

 

 


幻のブルドーザー戦車の製作 その十九

2024-02-09 08:21:21 | 模型

今日も朝から鉛色の空のここ鳥取県。

大山の香取村も雲がかかっているようです。

でも今日は昼から珍しく太陽がでてくるそうですが、最高気温が9度だそうです。

皆さん意外と知らないと思いますが、ここ山陰ってかなり寒くて暑い土地です。

住むのに根性がいる土地です

夏は日本一暑い時があるし、冬はドカ雪が降るし、大変な土地です。

香取村もそんな厳しい気候風土にさらされている地です。

その地をジオラマにして表現しようとしているのですが、上手く伝わるかどうかですね。

 

昨日からブルドーザー戦車の色が違うことをかいていますが、間違った色で展示することは出来ないということで、高座型の方を全部塗り替えることにしました。

実は、この時、ジオラマはほぼ形になっていました。

松林もこのように樹木を植えて固定しました。

この時、戦車は地面にネジで固定していました。

裏側から長いネジを取り付け地面にしっかりと固定しました。

もうほぼ完成の状態でした。

しかし、高座型の戦車の色が全く違うと言う連絡が有り、納品まで後3日という状態で塗り替える事にしました。

 

先ず、ラッカーの黒に近い焦げ茶色で全体を塗り潰します。

その上からダークグリーンをエアーブラシで丁寧に塗り分けます。

この時点ではまだ汚しが入っていません。

写真ではよく分からないと思いますが、エッジの部分とか下地の黒が透けて見えてます。

車体の下部の方の影の部分はほとんど黒のままの状態です。

社名のロゴを入れ、細かい塗り分けをし直します。

最後にエナメルのつや消し黒をシャバシャバに薄めた物を油汚れの感じで塗ってゆきます。

この後、ライトグレーで軽くエッジ部分にドライブラシしました。

後、乗り降りの際、足で踏みつけそうな部分に鉛筆で傷を書き込みました。

手すりとか手にする部分にも同じくHBくらいの鉛筆で傷を書き込みます。

そうすると、鉄の使い込んだ鈍い光り方を再現できます。

この時点で松林も形になり塗り替えた戦車を取り付けなおしてほぼ完成となりましたが、肝心な松林がどう作られたか、次回はその辺をアップします。

続く!

 

 


幻のブルドーザー戦車の製作 その十八

2024-02-08 08:39:40 | 模型

今日もどんよりとした天気です。

この時期、山陰は連日太陽の覗く日がほとんどありません。

毎日どんよりとした雲の下、冷たい雨が降っています。

本当なら雪が降るはずなのですが、今年は暖冬らしく、雪があまり降らなくて助かります。

東京は8センチで大雪になり大パニックになってますが、こちらはその程度だと話題にもなりません。

私が小学校の頃は股下まで雪が積り、学校が臨時休校になるくらい雪が積もったものですが、近年ほとんどありませんね。

 

この時期なら「香取村」も大雪で大変な事になっているはずですが、今年はどうなっているのでしょうか?

それより、ブルドーザー戦車の製作ですが、昨日、出来上がった高座型のブルドーザー戦車の色が違うと言う証言が出てきました。

その証言の主は、今現在香取村に住んでいる方ですが、子供の頃、実際にブルドーザー戦車に乗せてもらった事が有るという方でした。

その方の話では、低い方のブルドーザーは「黄土色」だったそうですが、高い方のブルドーザーは「緑」だったということです。

おそらく、旧日本陸軍の「草色」だと思います。

いわゆる「ダークグリーン」ですね。

この戦車のために特殊な色をぬるわけがない、在庫の色を塗っていると思うので、多分「草色」だと思います。

このブルドーザー戦車のエピソードをジオラマの展示と合わせて動画にしてモニターで流す予定だったようで、色んな所から取材をして動画を製作していた「米子ガイナックス」から、「戦車の色が違っていたようです。」と連絡がありました。

もう少し早く連絡して欲しかった!!

もう戦車自体は完成しているので、仕方がない!また黒く塗りつぶしてイチからやり直しです。

黄土色とダークグリーンではイメージが違いすぎます。

嘘のまま展示するわけには行かないので完全に塗り替えることにしました。

この様な色に仕上げてました。

上から見ると

実際にこういう形かどうか分からないのですが、アクセル、ブレーキペダルや排土板を動かすレバー、操縦レバーが配置されていたと思うので、分からないなりに作りました。

低座型も、

車体はかなり汚れていたということなので、このくらい汚しを入れました。

高座型のこのカラーはこれで見納めです。

せっかくここまで仕上げましたが、また黒色から仕上げ直しです。

全くイメージが変わります。

続く!


幻のブルドーザー戦車の製作 その十七

2024-02-07 08:52:36 | 模型

連日アップの「幻のブルドーザー戦車」ですが、戦車本体の仕上げに入ります。

松の木の着々と製作が進んでいます。

家族全員で内職仕事みたいに黙々と製作して、ここまできました。

まだ地面には刺しているだけで全体のボリュームを見ています。

まだまだ足りません。

全部で18本の松の木と杉の木2本、低木無数作ります。

戦車の足回りも塗り分けます。

この写真のように転輪の周りにはゴムが巻かれていたので黒く塗りわけます。

車体の上の方にピンが突き出ていますが、これでキャタピラのたるみを表現します。

 

樹木や細かい塗り分けは置いといて、キャタピラの仕上げですが、ファインモールドらしからぬキットの不具合が出ました。

このキャタピラなのですが、ポリキャタピラが、ランナーの形に合わせて左右にグニャグニャになってました。

この個体だけなのかとおもいきや、もう一台の方も同じ形に整形されていて、まっすぐになりませんでした。

なので、銅線で引っ張って矯正しています。

これを車体に取り付けると、銅線が結構目立つので、これを使いました。

タミヤから発売の塗料なのですが、水性塗料の中にセラミックの細かい粉が混ぜて有り、ドロのような立体的な盛り上げ塗装ができます。

それを銅線で補修したキャタピラに塗りつけます。

キャタピラのくぼみに泥が詰まった感じになりました。

これを全体に施して、

足回りの汚しにしました。

次に、車体全体の汚しです。

使ったのはタミヤのエナメル塗料のつや消し黒を溶剤でシャバシャバに薄めて車体の継ぎ目、くぼみ部分等、機械油が染み出そうな部分に塗ります。

シャバシャバに薄めたエナメル塗料は、毛細管現象で、勝手に溝などに染みこんで行きます。

下地にラッカーで塗装しているので、汚しすぎたと思ったらエナメル専用の溶剤で拭き取れます。

塗って、拭きとって、微調整をします。

足回りも同じく仕上げます。

香取の大地は黒い火山灰ですので、かなり足回りも黒っぽく汚れます。

それに、「丹羽さん」が言われてましたが、車内はかなり油で汚れていたそうです。

野菜等買い出しにこの戦車で行って、野菜を戦車に積み込んで帰ると、野菜が油でまみれて油臭い料理になったそうです。

それほど汚れていたようです。

上の写真は高座型の戦車ですが、同じ仕上げをもう一台の低座型にも施します。

次に、車体に書き込まれた「協同建設」と言う文字ですが、これもエナメル塗料のつや消し白を使います。

この白は薄めずそのまま塗ります。

実物大の文字を手本に、車体に面相筆で手書きします。

実物の車体では「建設」の「設」の文字が消えかかっています。

これは運転手が戦車に昇り降りする際、足で踏んでいるからだそうです。

ちょうどそこに手すりがあるし、キャタピラに足をかけて、ちょうど「設」の文字の部分を踏んづける事になるようです。

それで文字が剥がれてきていたようです。

書体もこの当時の書体(隷書体?)だと思います。

書き込みに失敗してもエナメルの溶剤で消して、またもう一度チャレンジで、気に入った所まで修正して書き込みます。

こんな感じになりました。

全面の衝立のような部分のハッチからかなり油が染み出て流れているのが印象的です。

やはり車体自体が油でかなり汚れていたのだと思います。

上の写真は多分、北海道の「中山組」の使用していた物と思いますが、これってダークイエロー??

モノクロ写真にしても色が黒すぎる。

米子ガイナックスでも担当の方と話ししたのですが、これを運転していた「丹羽さん」が、黄土色って言ってたので、そうなのか?と思っていましたが、後に色が違っていたのが分かりました。

確かに、丹羽さんが運転していた低座型は黄土色だったそうですが、こちらの高座型は「緑」だったと言う証言が出てきました。

もう、汚しや社名まで入れて、戦車自体は完成しているのに、さ〜どうしよう。

この続きは次回に!

 

 

 


幻のブルドーザー戦車の製作 その十六

2024-02-06 15:03:53 | 模型

連日アップしている「幻のブルドーザー戦車」ですが、やっと戦車本体の仕上げ塗装に入ります。

先ず、戦車本体の下地塗りです。

ラッカーサーフェーサーを全体に吹きつけます。

これは缶スプレーで吹き付け塗装しています。

こちらが高座型

こちらが低座型。

プラバンや真鍮板、キットのプラの色が全部統一されて仕上がりの良し悪しがよく分かります。

この時点で、仕上がりが悪ければパテを盛って直したり、磨いたりして最後の修正をします。

次に、影になる部分の色を塗ります。

戦車がダークイエローの様な色なので茶系の黒に近い色を使用します。

ダークブラウンにつや消し黒を混ぜてほとんど黒の茶色を作りエアーブラシで吹き付けます。

使用している塗料はラッカーです。

この上に汚し等何層にも塗り重ねるので、下の色はラッカーで仕上げます。

次に、この黒を塗りつぶすのではなく、影になる部分はこのままの黒い茶色。

日が当たる部分はダークイエローという風にエアーブラシで塗り分けます。

ここでは転輪にゴムが巻かれているのを表現するため黒を塗っています。

こちらは低座型ですが、内部を塗らなければならないので完全に組み立ててません。

ばらした状態で塗ってゆきます。

写真ではよくわからないかもしれませんが、角張った部分は、ちょっと黒っぽくなるようにしてあります。

車体内部は黒が透けて見えるくらいに薄く塗って有り、影の色合いを表現しています。

横から見るとこんな風に黒い色のままになっている部分がありますが、平らに置いてみると黒が全く違和感なくなります。

この状態で基本塗装が終わりました。

この後、本格的な汚し塗装に入ります。

「協同建設」と言う文字も書かなくてはなりません。

ここから一気に変わります。

 

続く!