オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

「ケモノの城」誉田哲也著

2024年04月14日 15時07分24秒 | 読書
ケモノの城」誉田哲也著
警察物が読みたくて予備知識もなく借りた。
不穏な導入部とは裏腹に、 
同棲中の二人の朝から始まる。
二人のシーンと、事件発生から容疑者(被害者)の取り調べと、
聞き込み捜査の刑事たちの場面が交互にすすむ。
しかし事件の内容の凄まじさとグロさに負けて、そこは斜め読み。
それでもページを繰る手が止まらない。
(読み終えた頃には朝刊が届いた)



警察は、自ら身柄保護を求めてきた少女を保護した。
少女には明らかに暴行を受けたあとがあった。
その後、少女と同じマンションの部屋で暮らしていた女性を傷害容疑で逮捕するが、その女性にも、暴行を受けていたと思われる傷があった。
やがて、少女が口を開く。
お父さんは、殺されました──。
単行本刊行時に大反響を呼んだ問題作がついに文庫化。
読者の心をいやおうなく揺さぶる衝撃のミステリー。
裏表紙紹介文より

この小説は北九州監禁殺人事件が元となった、らしい。
事件内容の凄惨さに報道が控えられたそうな。




「居酒屋すずめ(迷い鳥たちの学校)」桜井美奈著

2024年04月13日 09時32分23秒 | 読書
「居酒屋すずめ(迷い鳥たちの学校)」桜井美奈著
ずっと前に読んだ「塀の中の美容室」の著者だった。
関わった人の顔は覚えているのに名前は覚えきれん。



昼間の居酒屋を利用して開かれるフリースクール「すずめの学校」。
「居酒屋すずめ」で開校中 のそこに通うのは、不登校の中学生や学び直したい老女、挫折したフィギュアスケーターや引きこもりのニートなど様々。
居酒屋の経営安定のためと始めたオーナー兼教師の鈴村明也だったが、彼自身もまた、生徒と交わるうちに学び、気付き・・・・・・。
一歩踏み出す勇気をくれる物語。
裏表紙の紹介文より

居酒屋でフリースクールを開くに至った経緯が語られたあと、
生徒それぞれの事情が語られていく。

母親の再婚で義理父と暮らす中一ボーイはなぜ不登校なのか。

高卒認定テストを受けたい女性。
ほかの課目は進んでいるのに、英語だけは拒否している。

二十歳の青年は来てもゲームをしていて、勉強はおろか人と関わろうとしない。

新たに入った高2女子はスケートで挫折し、
そこから立ち直れないでいる。

先生役も、いつもパソコンに向かっており、
積極的に関わろうとしない寡黙な青年だが、
口を開くと鋭い一言を発する。
生徒にとっては謎な人。

それぞれの事情と立ち直るきっかけが語られていく。




「夜明けのはざま」町田そのこ著

2024年04月11日 15時35分07秒 | 読書
鈴木保奈美の番組「あの本、読みました?」をたまに見る。
そして気になる本は図書館に予約。
無ければ県内を縦断検索、または隣の市の図書館も。
とにかくもう本は買わないと決めている。


そうやって順番が来ると、いそいそと出かけて借りてきた、
「夜明けのはざま」町田そのこ著

お話の先へ急ぐから「あれっ?」となると、前のページを繰って読む。
早いんだかユックリなんだか、忙しない読書になる。


1話を読んであれ?と思ったら、
前に読んだ「ぎょらん」と同じくオムニバスだ。
物語の舞台も葬祭場だけど、家族葬のみの一軒家風の造り。
柱となる女性はここの社員。
プロポーズされているけど返事は保留。
その理由は…。

元夫から、というより代理の友人から葬儀の手伝いを頼まれた生花店の女性。
亡くなったのは恋人だというのだが、そのひとは…。

新入社員の彼は貧しい家庭に育ち学校ではいじめられ、
貧乏から抜け出すには勉強が出来なければと、
頑張って大学に合格したのに、アルバイトで貯めた入学金を母親が…。

主人公は彼氏から返事を迫られ、下した決断は…。

まぁいろいろな事情が描かれているのだが、
昭和な男(いや女も)の女性に求めるものが、
今の朝ドラ「虎に翼」の時代とさほどに変わらない。
オカンの娘たちは良い相手に出会っていると感謝だ。



「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子著

2024年04月07日 16時23分14秒 | 読書
「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子著
図書館でなんとなく手に取り借りた本。


「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。
わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。
誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった──。
芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
裏表紙の紹介文

主人公がフリーランスで校閲を生業としている。
「世界でいちばん透きとおった物語」にも出ていた職業。
ただそれだけの理由で借りたのだけど、
オカンには読みきれなかった。
途中で疲れてきて止めた。
記録として残すのみ。



「可燃物」米澤穂信著

2024年04月05日 09時55分15秒 | 読書
予約して順番がまわってきた「可燃物」(米澤穂信著)を読了です。
群馬県警本部刑事部捜査第一課に所属の葛警部が主人公。
捜査を指揮する間、捜査本部に詰める彼の食事は菓子パンとカフェオレ。
毎回、このシーンが出るのでオカンも食べたくなる。


「崖の下」
バックカントリースノーボードから戻らない男女四人。
うち一人は首から大量に出血した遺体で発見。
事故か殺人か?

「ねむけ」
強盗事件の被疑者が交通事故で入院。
事故の際の目撃情報から真相に至る。

「命の恩」
榛名山麓で見つかった人の腕。
後に他の部位も見つかり身元が判明。
なぜ遺体をバラバラにしたのか、なぜ人の目につきやすい行楽地に遺棄したのか。

「可燃物」
住宅地で可燃ゴミに放火する事件が続いた。
張り込みを開始した日から風が強くなった。
それでかどうか、放火はおこらない。
犯人は大火を恐れているのでは?
目的はなにか?

「本物か」
ファミリーレストランで立てこもり事件が発生。
店内から避難した人たちへ発生の経過を聞き取りから事件の真相へ近づく。

以上五作の短編集でした。

以下は著者紹介文より
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞 (ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。
11年『折れた竜骨』で第64回 日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門) を、
14年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。
同作は「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」の国内部門1位となり、史上初のミステリーランキング3冠を達成。
翌年『王とサーカス』でもミステリーランキング3冠に輝 く。
21年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、さらに同作で22年第166回直木賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。
また同作は史上初となるミステリーランキング4冠を達成。
著書に『さよなら妖精』 『春期限定いちごタルト事件』『ボトルネック』『インシテミル』『儚い羊たちの祝宴』『本と鍵の季節』『Iの悲劇』など多数。
読書エッセイに『米澤屋書店』がある。