ヤフオクでトイレの飾りを購入。
それが、これ。
日本で最も有名な記念切手。
「見返り美人」と「月に雁」。
昔の切手少年の憧れのものである。
まあ、子供のころほしかった物を「大人買い」である。
「さぞかし金にものをいわせたんだろ」と思われたくないので、
とりあえず相場がどんなものか調べてみる。
ちょっと、資料が古くて申し訳ないが、これで調べてみる。
見返り美人の相場は・・・・
見方は、並品が10,000円。美品が18,000円。使用済みが9,000円ということ。
同じように、月に雁も見てみる。
並品が13,000円。美品が25,000円。使用済みが9,500円だ。
こうやって見てみると、品物の個体差(折れ、シミ、汚れ具合)はあるけども、
どう考えても最低で2枚で10,000円以上はするだろう・・・という感じだよね。
しかし、私が落札した値段はこちら。
3,700円。美品だと1/10近い値段である。
なぜこんなに安いのか。
それは、古銭切手コレクターが少なすぎて、市場が崩壊状態なのだ。
つまり、売れないのである。需要に対し供給が多すぎるのである。
どれだけ売れないのか。
皆様の家にもあるかもしれない、東京五輪の1,000円硬貨。
もう、50年以上前のものである。
さぞかし結構な値段が付いているのかと思いきや、買い取ってもらえない。
持って行っても「買い取りできないので、銀行で両替したほうがいいですよ」と言われる。
つまり、1,000円(額面)しか価値がないのだ。
詳しく補足すれば、どうしてもと言うなら買い取りするけども、額面の1,000円で買い取りなので、
手数料を差し引くとマイナスになってしまうので、銀行で両替したほうがいいですよ、ということ。
これ以降の物も、特別、発行枚数が少ないとかの「プレミア」がついていない限り、
または、金貨などの逆に金の価値が上がっている物以外、同じである。
例を挙げれば、
札幌五輪記念硬貨。
長野五輪記念硬貨。
大阪万博記念硬貨。
昭和天皇在位50周年記念硬貨。
など、すべて「額面と同じ」値段にしか、ならない。
ヤフオクで、この事実を知らない人が「これくらいするだろう」なんて感じで値段をつけても、
まったく買い手が付かないのはこのためである。
ただし、銀貨などでたまに銀の地金より額面が小さい場合、100円銀貨で10g
あった場合などは、銀の地金500円で(1g50円としてね)、取引される場合は、ある。
その場合、銀の含有量が900ないと、なかなか銀製品として認めてもらえない。
詳しいことは、ググってちょうだい。
切手に関しても、少ない例外を除いて、だいたい昭和30年以降の切手は、
ほぼ額面通りの価値しかない、と思ってもらっていい。
たとえ付加価値が付いたとしても、だいたい額面の+20円~+100円くらいだ。
市場が崩壊しているもう一つの理由。それは、みんなヤフオクなどで取引してしまうのだ。
東京五輪の1,000円硬貨を例にすると、
たとえ値段が付かない、といっても、それは買い取りの話で、いざ売るとなったら、
古銭販売店は、1,500円くらいの値段を付ける。
店の利益があるから当然だ。
ということは、買う方は1,500円以下で落札できるならヤフオクを利用した方が得だということだ。
売る方は古銭販売店では買い取りしないから、銀行で両替する1,000円以上なら、
いくらでも利益になるのだ。
従って、ちょうどいい1,200円くらいの値段で落札される。
こういう、しくみだ。
ただ、買い手市場である、ということは、シリーズものなどをいっぺんにそろえられる
チャンスであるということでもある。
だから、私のように昔欲しくても高くて買えなかったおじさんが飛びつく場合もあるのだ。
見返り美人も月に雁も、特別、発行枚数が少なかった、というわけでなない。
そうであるなら、今でも高価であるはずだからだ。
逆に、これだけ値段が下がる、ということは、単にコレクターの間で人気があり、
コレクター自身が値段を上げていた、ということである。
だから、コレクターがいなくなれば値段が下がるのは当然なのである。