書棚を整理していたら、こんなものが出てきた。
フランスに行った記念に買ってきた、歴代フランス国王
の肖像画が描かれた切手だ。
「それで?」
発行国はチャド。
なんでチャドがフランス国王の切手を発行するわけ?
そして、それがなぜノートルダム寺院の塔で売られているのか。
それにはこんな理由があるのだ。
鉱物資源も観光資源もない弱小国が外貨を獲得するため、
たまにこのような切手を発行することがある。
アフリカ大陸の国に多いようだ。
使用済みだが、裏に糊が付いている。
なぜなのか。
日本の切手を例にして説明しましょう。
例えば総務省印刷局が100円の切手を発行したとします。
これは当然、100円の切手として使用できますから、100円
以下で販売することができません。
しかし、使用済みならもう切手として使用できないのですから、
いくらの値段で販売してもいいわけです。
ですから、販売した時点ですでに使用済みなのです。
消印に見えるのは実は印刷です。
本当の消印なら、こんなにうまく肖像画の部分を外して
押してくれません。センターにドカッと押されてしまいます。
このような切手をオーダーキャンセルと呼んでいます。
フランスとしても、いくら売れるかわからないのに経費をかけて
自国で発行し在庫を抱えるより、チャドから買った方が
安く上がるのです。
ちなみに一番下段が、
「パンがなければペヤングでも食えばいいんでないの?」
と言ったマリーアントワネットとポンパドール夫人です。
彼女はバカ女の代表のような描かれ方をするけど、
貴族なんて多かれ少なかれ、みんなあんな感じだったと思うよ。
贅沢というのは、普段食べられないから贅沢と言うのであって、日常的に
食べていれば、それが贅沢であることすら理解できないであろう。
彼らの興味は何を食べるか、であって、働かなければ時には
食べられないこともある、などという考えは頭の隅にもないだろう。
この話には続きが・・・
切手をストックブックに整理しようと思ったらこんな
切手も出てきた。
本当はドイツの音楽家の切手が欲しくて切手雑誌に
「古いドイツ切手求む」と個人広告をだしたことがあったのだが、
その時手に入れたものだ。
さすがに未使用のヒトラー切手は価値あんじゃね?
と思ったのだが、通常切手は発行枚数が桁違いに多いので
ほとんど価値はないそうだ。
たとえ価値があったとしても、ヨーロッパ・アメリカあたりでは
この手の商品は取引自体が禁止されているので、売りようがない。
また表記は「ドイツ王国」だが、占領した国の切手を
「あなたは誰に従わなければならないか、よく見なさい」
という意味を込めて、この図案に変更したらしく、いろんな
国のバージョンがあるらしい。
国別に分類したり・・・そこまでの努力は、したくないね。
ちなみに、私はこの目的以外の主義・主張的に興味があったわけ
ではないので、念のため。
これ見て、
超インフレ時代の切手。2,000万マルク切手。
発行しても使う時点で、すでにもうその値段では送れなかったそうだ。
それでも、今の日本円で150円くらいの価値しかなかったそうだ。
サラリーマンの月給が4トントラック一杯の札束だったそうですよ。
この切手も大量にありすぎて、価値がないらしい。
これは逆に使用済みの方が価値がある。
それだけ現実的なものではなかったのだ。封筒一面切手だらけだ。
日本も戦時中・終戦後はひどかった。
目打ち無し、平版印刷、粗末な紙。
政府の印刷局が焼けたので、印刷を複数の民間業者に委託したのだが、
微妙に違っていて、それがマニアにはたまらないようです。
*本来なら額面部分に消しを入れるべきなのですが、2銭切手は現在使用できないため、入れてません。