いらないCDを整理していたら、10年前のゲームが出てきた。
マイクロソフトのフライトシミュレーターだ。
遊ぼうとしたら、PCのスペックが低すぎて、諦めて
そのままお蔵入りしていたヤツだ。
そのころの要求レベルがDirectX 9。
今、私のグラボはDirectX 11対応だ。
CPUも3.5GHzの4コアだ。
最高解像度にしても、余裕で表示できるだろう。
久しぶりに、やってみっかあ。
インストール後、セットアップ。
空港は「羽田」。
機体はボーイング747-400。懐かしいね。
シーナリーは「フリーフライト」。
げっ、いきなり夜かよ。
「フリーフライト」はその名の通り、勝手にどうぞという感じ。
これが「営業フライト」のシーナリーになると、管制塔からの
滑走路の指示、離陸許可など面倒になる。
もちろん違反すれば減点だ。
規定の位置で規定の高度に達していなければ、それも減点になる。
管制が切り替わったとき周波数を合わせないと、指示が聞こえない。
もっと言えば、アプローチの際の経路、気象情報局の受信など、
本物に近づければ近づけるほど、やることが膨大になる。
「アクシデント シーナリー」を選択したら、航行中に
何かのトラブルが発生し、それに対処しなければならない。
急上昇、急な角度のバンクも減点だ。
実機でも、緊急時以外は禁止されているからだ。
シーナリーでは4発のエンジンすべてがストップ、というのもあるらしい。
設計上、グライダー航法でかなりの時間、飛べるらしい。
その間に緊急着陸地を探すわけだが、そんなこと出来るわけないだろ。
私の実力では「フリーフライト」以外選択肢はない。
このコンピューターに目的地の空港の座標を入力する。
このコンピューターが実に優秀で、誤差数mで着陸できるらしい。
しかし、ただ座標を入力しただけでは最短距離を飛行するのだが、
実際は飛行禁止区域や領空通過を許可しない国などを避けなければ
ならないため、経由地を入力しなければならない。
下手をすると撃墜される可能性があるからだ。
ちなみに、日本では在日米軍基地、自衛隊基地、皇居の上空などが飛行禁止区域だ。
東京都内は飛行高度が制限されていて、実際は飛行機で
東京スカイツリーを遊覧することはできない。
フライトシミュレーターでのみ可能だ。
確かヘリコプター以外では低空飛行できないはず。
しかし、コンピューターへの入力ができない。
このゲームには厚いマニュアルと本物の航路図がついてくるのだが、
いくらマニュアルとにらめっこしても、わからない。
諦めてしまった。
懐かしい。4発のエンジンだね。
たしかボーイング747-400はP&Hのエンジンだったはず。
実際に飛ばしてみた。
離陸はすごく簡単だ。
管制塔の指示などなしの「フリーフライト」はいきなり
滑走路の端からスタートだからだ。
「営業フライト」だと、スポットからグランドコントロール
の指示で滑走路にランプウェイから向かわなければならない。
そのたび、マニュアル巻末の空港データーとにらめっこだ。
「えーっとB7滑走路に行くにはどうすんだ?」
という感じ。
しかも、本物と同じという念の入れ方。
さらに、意地悪く「前をアメリカン航空の777が通過するから待て」
とか指示が出るんだよ。
そこまでリアルにしなくっていいから。
離陸には滑走路の規定の位置までに「V1」の速度に
達していなければならない。
そうでないと、浮力が不足するからだ。
しかし、実際はマックスパワーで滑走すると、余裕でV1に達する。
しかし、フリーフライトでは副操縦士が「V1」と
言ってくれないので、自分で確認する必要がある。
今は昇降舵とスロットルが連動しているので、操縦桿を
引けば引くほどパワーが上がり、失速しない。
フリーフライトでは楽ちんだ。
もちろん営業フライトでは、急上昇は禁止だ。
正しくコンピューターに目的地を入力出来ていれば、
あとはオートパイロットで飛行できるのだが、
入力できない私は常にマニュアル飛行だ。
飛行機はタイムラグが大きいので、「あれ右に曲がらないぞ」
と思って思いっきり右に舵を切ると、大きく右に旋回し始めて、
「やばい」となり今度は左に大きく舵を切る。
結果、尻を振りながら飛行する、いわゆる「ダッチロール」
という現象になってしまう。
問題は着陸なのだ。
コンピューターに目的地がセットされていれば、実は
オートパイロットのままで着陸できるのだ。
FD(フライトディレクター)には、グライドパスとローカライザー
という滑走路から出ている信号を受信するシステムが組み込まれている。
上下角と左右角の信号だ。
十字になっている信号の中心に機体が来るようになっている。
入射角は5°だ。
ちなみに、日本の航空会社は「着陸は手動で行うこと」と
社内規定で決まっているそうだ。
機械を信用せず、最後は人間の手でやりなさい、ということだ。
ダウンバーストなど、予期せぬトラブルに迅速に対応するため
なのではないだろうか。
もちろん、私も手動着陸だ。
と言っても、恥ずかしながら滑走路に着陸したことは一度もない。
空港まで行けないのだ(笑)。
那覇から羽田までマニュアルでは飛ばせないでしょ。
そうすると、いつまでもゲームが終了しないので、
しかたなく、草原らしい所に着陸するのだが、衝突判定が
リアルで、いつも墜落になってしまう(笑)。
そりゃ、そうだよな。砂浜に着陸しても墜落だよ、あの速度では。
運良く着陸できても、すぐにフルブレーキとスラストリバース(逆噴射)
しないと、1kmくらい走ってしまう。
せっかく着陸したのに海に落っこちた、ということになるのだ。
しかし、正常な着陸態勢をとっても、地上接近警報と
「Head UP(機首を上げろ)」という人工音声は出る。
いつ聞いてもイヤだね。