古い写真って色が褪せますよね。
実はネガの色素も同じで、経年変化するんです。
だから、本当は早いうちにデジタル化しておいた方が
いいんですよね。
さいわい、私はポジを使っていましたので、ネガほど
神経質にはならなくて済んだのですが、それでも初期の
頃のネガをスキャンしました。
問題は、子供の頃や学生の頃の写真。
作品ではない、普通の写真なので「どうしようかな」と
思っていたのですが、ついでに処理することにしました。
復元といっても、難しくはありません。
ちょっと気の利いたソフトには「古い写真の復元」という
項目があります。
あとはスキャンしてポチッとクリックするだけです。
スキャナーを買ったときに付いてくるユーティリティソフト
にもたしか、この機能はあったはずです。
この「復元」とは難しく言えば、色素の減衰カーブに従って
色を補完する、ということなのですが、今回はそれはいいでしょう。
約40年前の京都・奈良の修学旅行の写真。
これは法隆寺。
まだ最初の訪問地なのに、お土産屋に乗せられて
買うヤツ続出(青い袋)。
私の学生人生の中で唯一ルーム長(学級委員長)をやっていた時。
修学旅行にはいい思い出が一つもない。
これは新薬師寺。
夜、酔っ払って宿を飛び出した同級生を連れ戻した、
旅館の近く。
偶然、祇園で夏目雅子さんと遭遇。マネージャーさんに撮ってもらった。
自由行動の日、友人と祇園を散策していたら、何かの撮影に遭遇。
スタッフに聞いたら、「CMの撮影で、女優さんは夏目雅子さんだよ」
という話。ちょうど休憩時間、これはサインをもらうしかない。
しかし、祇園という土地柄、サイン色紙なんて売っている店がない。
川向こうの阪急デパートまでは行けない・・・
というわけで、写真だけ撮ってもらいました。
当時、黒澤明監督の「影武者」が公開されており、
「実は私、夏目雅子の影武者なのよ」と言ってました。
当時は芸能人が嘘を言うわけない、と純粋に考えていたので、
「ええっ、そうなんですか?」とまじめに聞いたら、マネージャーさんが、
「ウソウソ、本物」と手を振っていましたよ。
「冗談で言ったのに、こいつら本気にしてる」と焦ったんでしょうね。
しかし、奈良公園で会津高校とばったり会った時はびっくりした。
なんで、奈良くんだりまで来て、地元の高校と会わなけりゃならんのよ、
と思ったが、今思えば東北地方の高校は修学旅行は京都・奈良だし、
時期も同じだし、会う確率は高いわな。
なかなか、よく復元できていると思うのですが、どうでしょう。
「よく、ネガが残ってたな」
はい、当時から写真少年でしたから。
中学校の修学旅行の写真からネガは揃ってますよ。
写真屋さんに行くと、ネガアルバムというのがあります。
それだと、まとめて保管できるから便利ですよ。
私は、ネガアルバム2冊、ポジアルバム3冊あります。
まだデジタルよりフィルムの方がキャリアが長いですからね。
問題は、ネガがない、プリントだけの写真。
アルバムからはがすのが面倒くさい。
もらった写真とか、学校で販売されたやつとか、そういうヤツ。
撮ってるヤツがヘタ(失礼)だと、復元してもイマイチ・・・うーん。
若造は、最後列。
学生時代はコンマスだったのにぃ(涙)。
まあ、これも記念だからね。
実は親の若い頃の写真(白黒)のネガが大量にあるんです。
なんか、怖くて復元できない。
母親なんか、蔵王で撮ったオーストリアのトニー・ザイラーとの
ツーショットとかあるからね。
父親も潜水艦の前で撮った写真とかもあったりして。
もうちょっと歳をとって、昔が恋しくなったらやると思います。
まめ知識として、これから皆さんはフィルムを使うことは
まずないと思いますが、万が一使うことがあれば、
「失敗するなら、ネガはオーバー、ポジはアンダー」
という言葉を覚えておいてください。
ネガはオーバー側が、ポジはアンダー側が強く、
救済できる可能性が高くなるのです。
もちろん適正露出で撮影するのが大原則ですが。
「そんなむずかしいこと言われても、わからん」という方、
ISO400クラスの感度のフィルムを入れておくと、屋外では
若干オーバー、室内でも最悪「何も写ってない」という
自体は避けられるはずです。
ただ、勘違いしてもらっては困るのは、高感度が優れている、
ということではありません。
フィルムは、大は小を兼ねません。
ISO100で間に合うところをISO1600で撮影すると、
粒子が粗く、色が悪い写真になってしまいます。
感度のために解像度と色の再現性を犠牲にしているのです。
両方の良いところをとったのが、ISO400くらいなのです。
俺はデジタルだから関係ねえ、という方。
実はデジタルカメラにもこの法則が当てはまります。
覚えておいて、損はないです。