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エラリー・クイーン 創作の秘密 その3

2021年06月22日 | Eクイーン
ダネイがはっきりと「厄災の町」「フォックス家の殺人」は自分が作った、と書いているので、
この2作のプロットにはリーが関与していた、という思いつきは否定されました。
クイーン(たち)は自覚的に、時代に合わせた、あるいは時代より先進的なミステリを書こうとし、
その悪戦苦闘の跡がこの書簡集に記されている、ということなのでしょう。
中に書かれているように、それが首尾一貫していない変節作家の烙印を押されてしまったのなら、
残念至極としか言いようがありません。
ペーパーバックシリーズが命取りの一因になったともありましたが、
「二百万ドルの死者」をなにも知らずに読んでしまった身としては、わからないでもない。
しかしクイーンというブランドを有する二人は悠々自適かと思いきや、
日本の私小説家なみに困っている姿は涙しかありません。
そんなに作品が売れなかったのか、と。
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