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横溝正史研究5

2013年04月24日 | ミステリ
「横溝正史研究5」の特集が「横溝正史旧蔵資料(二松学舎大学所蔵)が語るもの」です。
2006年に発見された横溝正史の原稿(6000枚以上!)、
正史が資料にしたと思われる洋雑誌と原書を調べて、
作品が形になっていく過程が判明してきたそうです。
正史の手書き原稿を調べた山口直孝の稿が面白かったです。
というか、この項が目玉です。

「犬神家の一族」を正史が練り上げていく過程が事細かに分析されています。
そういった正史のメモが残されている「犬神家の一族」は特例だそうで、
本来正史は頭の中だけで構想を作って原稿を書いていくので、
構想メモが残っているのは珍しいそうです。
「びっくり箱殺人事件」は出来に不満があったらしく、前半を改稿していました。
おお、いずれ「改稿版びっくり箱殺人事件」が出るのかも。

ところで「本陣殺人事件」の展開のネタにしたと思われる海外短編の紹介原稿は、
引用しているあらすじが長すぎ! 
本文にそのまま埋め込んであるので、読みづらいです。
別項にして文末に持っていくとかして、サマリだけ本文に入れてくれれば、
ネタばれも回避できるのではないでしょうか。
「ゼンダ城」の翻訳についての項でも引用が長すぎ。

それと、連載なのかもしれませんが、テレビや映画になった横溝作品の項が必要なんですかねえ。
シナリオリストとかも。別にムックでも作ってそっちに入れたら売れるのでは? 

表紙の洋雑誌の写真がけっこういいので、倉敷市観光イベントレポートなんて外していいから、
発見された洋雑誌の書影をできるかぎり載せて欲しかったなあ。
「倉敷市観光イベント殺人事件」って何?
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