乱歩のエッセイや評論はドラッグのようなもので、いつまでも読んでいたい、
と思う横溝正史チルドレンです。
最高気温を記録した名古屋で、本を探すのも命がけ。
「乱歩謎解きクロニクル」をやっとジュンク堂で入手。
乱歩が「探偵小説四十年」を書かねばならなかった理由、なるほど、と膝をうつ。
戦後探偵小説界のパワーバランスの中で、乱歩がライバルと目したのは誰だったのか。
作品を書けなくなった乱歩が、探偵小説界に君臨するために書かねばならなかったのはなにか。
愛あるゆえに、誰にも渡すまじと斯界の第一人者がレトリックの粋を集めて書いた、日本探偵小説側面史。
乱歩は文章がうまいので、ただ読んでいるだけでも、うっとりと快感に身を任せてしまいがちですが、
注意してみると情報がひじょうに曖昧だったりします。
「いつだったか忘れたが、〇〇君を□□と評した人がいたが、けだし正鵠を得て」
なんて文章があったりしますが、具体的な日時や人名が抜け落ちている。
乱歩の記憶にはあるのだろうけれど、はっきり書くとマズかったのか。
その批評文も前後の文脈からすると、そんな意味はなかったのかもしれない。
乱歩の巧妙なミスディレクションとフレームアップで、
乱歩の思惑通りのイメージを植え付けられているのではないか、とも思ったりしています。
鵜呑みにできないんだなあ。
後書きの冒頭で役人の無能をあげつらい、
最後にもう一回無能ぶりに謝意を表しているところで爆笑してしまいました。
■乱歩謎解きクロニクル 中相作 言視舎
と思う横溝正史チルドレンです。
最高気温を記録した名古屋で、本を探すのも命がけ。
「乱歩謎解きクロニクル」をやっとジュンク堂で入手。
乱歩が「探偵小説四十年」を書かねばならなかった理由、なるほど、と膝をうつ。
戦後探偵小説界のパワーバランスの中で、乱歩がライバルと目したのは誰だったのか。
作品を書けなくなった乱歩が、探偵小説界に君臨するために書かねばならなかったのはなにか。
愛あるゆえに、誰にも渡すまじと斯界の第一人者がレトリックの粋を集めて書いた、日本探偵小説側面史。
乱歩は文章がうまいので、ただ読んでいるだけでも、うっとりと快感に身を任せてしまいがちですが、
注意してみると情報がひじょうに曖昧だったりします。
「いつだったか忘れたが、〇〇君を□□と評した人がいたが、けだし正鵠を得て」
なんて文章があったりしますが、具体的な日時や人名が抜け落ちている。
乱歩の記憶にはあるのだろうけれど、はっきり書くとマズかったのか。
その批評文も前後の文脈からすると、そんな意味はなかったのかもしれない。
乱歩の巧妙なミスディレクションとフレームアップで、
乱歩の思惑通りのイメージを植え付けられているのではないか、とも思ったりしています。
鵜呑みにできないんだなあ。
後書きの冒頭で役人の無能をあげつらい、
最後にもう一回無能ぶりに謝意を表しているところで爆笑してしまいました。
■乱歩謎解きクロニクル 中相作 言視舎
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