なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

コミの1目

2007-12-30 16:43:15 | Weblog
 私が物心ついて、新聞の囲碁欄を覗くようになった頃には「コミ」というものは存在していましたが、子供心に不思議なものでした。
 棋戦によって違いが有ったり、大手合わせというものではコミがなかったり・・・
 囲碁などは両者が「1・2の3」で同時に打つものでは無いから、先に打つほうが”なんとなく”有利に思える。
 それはろくに囲碁を知らない子供でも感じる・・・では将棋の場合はどうしたものだろう?
 将棋には囲碁のコミに当たるものが無い?これも理解が出来ないことでした。
  ともかく囲碁の話でいうと
 コミ4目半というのと5目の二種類があったように記憶しています・・・と言っても少し曖昧ですが
 つまりコミ5目のほうで、仮に持碁の時に白勝ちとしたと思うのですが、それならば実際はコミ5目半と同じいみですね。
 もしかしたら持碁はジゴのまま集計していたのかこれが曖昧
   10戦して5勝5敗より5勝4敗1ジゴのほうが上みたいになったかどうか
 
 初めてコミなるものが導入される時は大変だったらしいですね
  プロの先生たちの侃々諤々の議論があったらしい
 それでもコミがなければ「先手有利」という大方の認識はあったでしょう・・・ただし「コミ碁は碁に非ず」という先生もいたらしいですが
  「先手有利」という認識で言うと、先手番と後手番の2局で1セットという考え方ですね。
 これでは1対1の強弱関係を決めるには可能ですが、リーグ戦みたいなものには向いていないですね、、、対局数が極端に多く必要です。
 それにもし、2局1セットなら延々勝敗がつかない事だってあります
  サッカーで言うホームアンドアウェイみたいですが、サッカーと違うところはホームで3目勝ちアウェイで2目負けの場合、どちらかが勝ちみたいなルールは無いところでしょうか。
 でも決着をつけるにはどちらかが2連勝するまで戦う必要がある
  そんなことでコミという考え方で1戦で勝敗を決めるやり方が時代に有っていたのでしょう。
 それでも問題はコミの大きさ
 「先手有利」は感じていても、一手の大きさを推定できなくては、コミを一手の半分として合意できにくい
 そんなことで4目と5目の2種類でスタートしたらしい(半は必ず決着をつけるという意味で、0.5という2倍すれば1になる大きさを持ったものでは無いでしょうね)
 
 子供の頃・6,7才頃の記憶を交えて書きましたが、それから半世紀以上経つわけですから、時の流れは恐ろしい・・・確実に年を取っていきます
 さてこの間にコミは5目半に統一されましたが、これが不変のものではなかったのですね。
  時は流れて
 国際棋戦で応さんという人が大きなコミを提唱なさったり・・・
  実際に日本棋院でも従来のコミ5目半を見直して6目半を導入しようかという時代の話
 プロの世界ではコミ1目でも生活がかかっているでしょうから、黒番の打ち方が変わるという意味で神経を使っていたでしょう
 それでも国際的な流れとか・・・黒番の積極的な打ち方とか工夫が要求されるという流れにか傾いて行った・・・
 プロの先生の中には7目半でも黒を持ちたいと言うせんせいもいましたが、いずれにせよそれはプロの世界での話

 その頃の私の周りのザル碁の世界で
  私が出入りしていた碁会所の会話です
 会話の主はここに出入りしている常連さんたちで、同じ会社のリタイアで定例会を行っている人たち、棋力で言うと私に三つか四つ。
  彼らの会話を聞くとは無しに聞くと・・・
 「ここでもコミが変わるらしいね」
 「コミが6目半だそうですね」
 「そんなに大きなコミでは、私ら打てませんね」
   話としてはそれだけですが、記憶に残っている会話です
 この碁会所のコミ変更も根拠という意味ではかなり怪しいでしょう
 国際棋戦のマネ・・・ミーハーみたいなものに近いかも知れませんから、もし強行に反対する人がいたなら説得するだけの力無いでしょう
 まあせいぜいが「世の中の流れ」みたいなずるい逃げ口上でしょうか
  しかしそれではリタイア組の会話は何だったのでしょうか
 「私らには打てませんね」・・・なんだかプロを思わせるような
この発言に思わずドキリとして、つい顔を見てしまった記憶がある
    私の場合はコミを貰うのは好きですが、出すのはイヤと言う「シブチン」の典型みたいものですから「大きさ以前の問題です」か

 ところでコミという観念が一手の価値の半分が目安だったと思うのですが、昔コミ4目半の時代は一手の価値が8目で今は6目半だから12目ということだろうか
 なんだか世の中のインフレに釣られている様な気がしないでもない
  それとも、コミというのは従来言われている一手の半分という意味ではなく、別の根拠に基づくと言う事なら理解しやすい・・・
  それはともかくアマの場合点数制でハンデを設定して打ちます
 点数差をコミ換算で打つならば全対局平手で打ち、ハンデを点数差分のコミで清算するのならわかる
 でも現行は置石+コミ(あるいは逆コミ)でハンデを設定しますから置石1子がコミ何目分かというところが曖昧のままのような気がします・・・
  そういう気はするのですが、いろんなところでそれなりに運営されている・・・そういうところも不思議な感じがします。
  暇なジイサマのお話