徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

茶道具 ―付属品とともにたのしむ―

2007-05-15 | 茶道具
茶道具 ―付属品とともにたのしむ―
2007年4月28日から7月1日
泉屋博古館・分館

第一室
付属品とともに楽しむということで、普通の茶道具展ならば茶碗と仕覆、添書、箱ぐらいしか展示されていないのですが、大きな箱からすべて展示してあります。お道具という言葉がぴったりの重装備なことがよくわかります。

  • 黄天目茶碗 銘 燕 元時代;朱漆の天目台が付属
  • 小井戸茶碗 銘 六地蔵 李朝時代;遠州愛玩。銘は京都六地蔵で入手したことに由来。仕覆はオランダ東インド会社のVOCマークがなどがある紅毛裂。「名品茶碗」(世界文化社)にも所収。
  • 伯庵茶碗 銘 宗節;伯庵茶碗は、五島美術館に2種所蔵されているのを拝見しています。
  • 唐物黒漆塗青貝芦葉達磨香合 明時代;八角の面取り、青貝の象嵌の香合。菱形の若狭盆が付属。美しい。
  • 唐物文琳茶入 銘 若草 南宋から元時代;後陽成帝が「薄く濃く述べのみどりの若草に跡までみゆる雪のむらきえ」(新古今・巻一春上)を想起され「若草」の勅命を得る。南禅寺の本光国師(金地院崇伝)の蔵であったことから国師文琳とも。有栖川幸仁親王による軸が添えられる。
  • 丹波茶入 銘 山桜;「生野」(湯木美術館)とともに丹波焼の代表。小堀遠州の和歌銘。明るい柿色。
    など

    第二室
  • 唐物茶壷 銘 聖代;小ぶり、ルソン経由でもたらされたためルソンと呼ぶが中国南部の唐物。
  • 大講堂釜;徳川家光より前田利常が拝領したという。
  • 古銅象耳花入 銘キネナリ;古銅は銅を主成分とした錫、鉛の合金だそうだ。古銅象耳花入は何点か拝見したことあるが、いつもスッとした胴とユーモラスな象耳の対比に引かれる。
  • 砂張舟形釣花入 銘 松本船 15から16世紀;村田珠光の高弟松本珠報所持と伝えられる。針屋船(畠山記念館、未見)、淡路屋舟(野村美術館)とともに天下三舟のひとつ。松平不昧公旧蔵。砂張も銅、錫、鉛の合金。涼しげで美しいフォルムに魅了される。
  • 唐物鶴の子茶入 銘 漱芳 元時代;細身の茶入。水戸徳川家旧蔵。銘は、明の遺民朱舜水。

  • 野々村仁清 唐物写十九種茶入;近衛家伝来肩衝、文琳、樽、水滴、瓢箪、餌蘿(えふご)、手瓶、常陸帯、驢蹄口、茄子、南京、丸壷、芋の子、内海、円座文琳、平肩衝、鶴首、大海、瓶子。。「君台観左右帳記」(NDLへのリンクP32から)にある茶入の十九種だろうかと思ったが、すこし違うようだ。

  • 原羊遊斎 椿蒔絵棗;酒井抱一の手紙が付属。松沢家旧蔵。
  • 紅葉呉器茶碗 李朝時代;大坂広岡家伝来。紅葉呉器随一の名碗。「名品茶碗」(世界文化社)にも所収。

  • 野々村仁清 色絵龍田川水指;胴下部には白地に柳、波頭などの文様、口縁には紅葉。色鮮やか。
  • 野々村仁清 白鶴香合;
  • 野々村仁清 色絵鳥撮丸型香合
    など

  • コメント    この記事についてブログを書く
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする
    « 狩野派誕生 ―栃木県立博物館... | トップ | 澁澤龍彦-幻想美術館 »
    最新の画像もっと見る

    コメントを投稿

    ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

    茶道具」カテゴリの最新記事