赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

民主党を見限り始めたマスコミ コラム(115)

2016-01-10 00:00:00 | 政治見解



コラム(115):民主党を見限り始めたマスコミ


衆議院予算委員会が始まりました。民主党は幹事長の枝野氏を筆頭に4人が質問に立ちました。


民主党への評価を落とす枝野氏


枝野氏は、低所得高齢者への臨時給付金について、「投票率の高い高齢者に向けたばらまきは選挙対策だ」、また、「軽減税率のなかに新聞が含まれているのはおかしい」と指摘していました。

問題を指摘することは良いのですが、民主党の場合は政権攻撃の材料として利用しているだけで言葉に説得力がありませんでした。逆に、受益者である高齢者の反発を招いたのは勿論のこと、日ごろ民主党を応援している新聞社まで敵に回しました。結局、民主党の質問内容の詳細は報道されませんでした。結果的に、民主党の無力さを印象付けただけだったのではないかと思います。


さらに、枝野氏は質疑中、「民主党政権下での実質GDPの伸び率が5.7%で、安倍政権の2.4%の2倍だ」と自賛していました。

しかし、これはリーマンショック以前の時点での成果が影響しているだけで、リーマンショック以降は大幅マイナスになっています。それを、安倍政権になって+5.6%、+3.2%分とV字回復させたのですが、枝野氏はこの事実を隠しています。時系列的な事実をきちんと認識していれば、このような質問は決してできないはずです。


風説を流布する国会質問

山井和則氏の質問では、安倍総理にワタミの前経営者を参議院議員に立候補させたことへの謝罪を遺族に求めていました。企業と個人間の問題と、自民党総裁の候補者の任命権の問題を同一に論じ、「安倍総理は悪人だ」と感情論で印象付けようとしました。異常なこじつけに、あきれるばかりです。

また、この数日間の株価下落を取り上げ、「過去最大の下げ幅で年金運用損は4兆円に上る」と指摘して総理にその答弁を求めたり、「年金運用にギリシャ国債を買っている」などと糾弾していました。このように事実と異なることや、理論的な整合性の無い、思い込みや改竄されたデーターでの質問姿勢は民主党の浅薄な見識を疑われる結果となりました。


追及に迫力がない

民主党と統一会派を組んだ(松野)維新の柿沢未途氏は自分の信念や意見ではなく、学者の見解に終始しただけでした。

大串博志氏は、立憲主義という定義をはっきりさせないまま安倍政権批判をするので何を言いたいのかよくわかりませんでした。民主党の全体戦略のチグハグさが出ていたようです。

階猛氏は、憲法の条文の意味を問うなどと揚げ足取りばかりの質問でした。高木復興大臣の疑惑追及や、丸川環境大臣、NHK会長、日銀への質問を行いましたがまったく迫力はありませんでした。
この期間、彼らは何を勉強して質問に立ったのでしょうか。


国際感覚欠如

せっかくNHKが国会中継をしていたのですが、民主党は貴重な機会を生かすことができませんでした。実は、マスコミも報道するのに苦労していたのです。あれほど臨時国会の開催要求をして準備万端整えていたはずの民主党の質疑に内容も迫力もなかったからです。

その最大の原因は、民主党には国際情勢に対する分析能力が欠如しているからです。

サウジアラビアとイランの国交断絶、中国株の暴落による世界同時株安、北朝鮮の核実験、日韓関係、アメリカ大統領選の行方など。国会議員はこれらの情勢を真剣に分析し、研究しなければならないはずです。


本来であれば質問者は、外交政策、経済政策、安全保障政策について政府見解を求めるとともに自らの考えを述べるべきでした。年明け早々に民主党には統一した思想が無いことを露呈してしまいました。

中国の影響で下がった日経株価をアベノミクスのせいだと主張する手法は、むしろ民主党株を大幅に下落させたようです。

従来であれば、選挙が近付くと一斉に野党の側に立つマスコミの姿勢に変化が見られます。

大手新聞社のベテラン記者がこのように話してくれました。

「以前は野党の民主党を応援して政権を取らせたが、今は違います。民主党にやらせても国は混乱するだけで良くなりませんでした。民主党は政権党から転落しても、一向に不勉強だし、まじめに国民の気持ちを考えていません。特に政治部記者たちは実情を見透かしているので、応援記事も書く気になれません。はっきり言って、いくら応援しても民主党は会社の経営の助けにはなりませんから。」



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