赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

拉致問題を政治利用してはならない コラム(118)

2016-01-14 00:00:00 | 政治見解



コラム(118):拉致問題を政治利用してはならない


予算委員会での質問

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の元事務局長の蓮池透氏の著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社2015年12月)が先日発売になりました。

これを早速利用して安倍政権批判に用いたのが民主党でした。12日の予算委員会で外務省出身の緒方林太郎氏が質問に立ち、「安倍総理は拉致問題を使ってのし上がったのか」と問いただしたのです。

これに対して安倍総理は、「他の拉致被害者に聞いてもらえれば分かる。国論を二分しようという(北朝鮮の)策謀に引っかかってはだめだ」と反論し、「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う。違っていたら私は国会議員を辞める」とまで断言しました。


利用された蓮池透氏

蓮池氏は当初、「拉致は国家テロ。北朝鮮への経済制裁を行え」と強硬な発言をしていた人物です。ところが、反米・反体制運動家の太田昌国氏との接触が始まった2003年頃から、考え方が変わっていったようです。両氏は共著を出すほどの関係になっています。

雑誌『世界』(2008年7月)には、蓮池氏の「日本政府は少なくとも4度、北朝鮮を騙した」「日本は植民地時代のことなど、歴史教育がよくされていない」などの発言が掲載されています。

こうした状況に危機感を覚えた家族会は2010年、蓮池氏に対し退会決議をし、蓮池氏は家族会を去ることになりました。


蓮池氏と民主党の本音

蓮池氏は、拉致被害者の問題や家族会の本来の目的を大きく逸脱し、自分の名誉欲や金銭欲の道具にしていることは否定できません。また、民主党自体も拉致被害者を救済する能力が無いにもかかわらず、拉致問題を政権批判の道具にしています。両者は被害者を救済するどころか、単に利用するためだけに手を組んでいると言えます。

拉致問題について詳しい専門家は次のように断言しています。

・実は拉致被害者の解決を遅らせている張本人は蓮池氏や民主党である。

・拉致問題が解決してしまうと蓮池氏の金もうけの種が無くなり、民主党の政権批判の材料が一つなくなるのです。



大変悲しい事実の指摘ではありますが、これは率直に受け止めたいと思います。
筆者も、政権批判目的のために拉致問題を利用している民主党に対し強い憤りを覚えます。

今回の国会での緒方議員の質問については、改めて民主党が国民に向け、きちんとした釈明会見をすべきです。

今後とも拉致問題は、党派や思想を超え、国民全体が思いを一つにして対応していきたいと思います。



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