すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。
インドネシアのテロ
インドネシアの首都ジャカルタ中心部で14日に起きた爆破テロ事件について、同国に在住の方が情報を発信していますのでご紹介いたします。
Tsutomu Yoshitake
インドネシア バンドン
ジャカルタの中心街で起きた事件の翌日、インドネシアの皆さんの国民性もふまえて、29年間の在イ経験で、私も随分と楽観説をたれましたが、どうやら、当たりです。
事件現場の大通りM.H.THAMRIN (タムリン通り)は日曜日は歩行者天国となり、散歩やサイクリングの皆さんが、この通りで休日を楽しまれますが、テレビ画像の写真のように、いつもの日曜日よりむしろ賑わっているような気さえします。
テレビのテロップにはKAMI TIDAK TAKUTの文字が見えます。少し付け足して意訳すれば、「テロなんかこわくない」という意味です。マスコミも協力して、国を挙げて、「テロと戦う」強い意思表示なんです。テレビインタービューに応える人も明るい声で「インドネシアはテロに負けません!」と大きな声で叫びました。
すると周りから「その通り!」の大歓声。なにかある時にはこうやって一致団結の色合いが強くなるのです。楽天的な国民性のせいだけでなく、やはり3世紀半に亘り、白人国家オランダの抑圧で虐げられてきた経験をもつインドネシアの皆さんはこういう時にたじろがない一致団結の強いメンタリティーをもっているような気がします。
またまた、日本に例えて恐縮ですが、銀座のど真ん中でこういう事件が起これば、まず、商業主義のマスコミの恐怖の煽り報道が拡散され、心配性で安全第一の日本人は家で息をひそめるので、経済活動が止まります。テロリストの思うツボの展開になります。
今回の事件でも、他国の事件なのに、どうも日本の報道は過剰だったようですね。驚いたことに、ジャカルタ在住の野次馬根性の無責任な日本人までが、ガセネタまで、日本の友人、知人に拡散したフシがあるのです。
本人は冗談のつもりでしょうが、国外脱出という言葉まで使って、実況中継をやったKY日本人もいるようです。こういうのを「小さい親切、大きなお世話」というのです。
日本人は戦後70年、温室育ちで、居心地よく平和に過ごしてきたので、こういうことが起こると仰天してしまうのでしょうね。実態も見極めずに、ジャカルタ出張延期、視察延期或いはイベント延期を早々と決めたところもあるのでしょうね。私の個人的な意見ですが、今の日本はちょっと情けないですね。インドネシアの皆さんを見習う点も多いです。
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コラム(122): ヘイトスピーチ対策条例案可決に思う
ヘイトスピーチへの対策を盛り込んだ大阪市の条例案が賛成多数で可決されました。良心ある日本人の生き方を国内に、また、世界に示した正しい判断だと思います。
自らを貶める行為
ヘイトスピーチは相手の尊厳を傷つけるだけではなく、自らの尊厳を傷つける、生産性の無い行為です。
保守回帰の流れを妨げてはならない
ヘイトスピーチは正当な愛国心や保守主義から発せられる言葉ではなく、単に自らの不平不満を立場の違う人に暴力的にぶつけているだけです。したがって、ヘイトスピーチをする者は日の丸を掲げる資格はありません。「愛国心」を屈折した心のはけ口として利用しているのです。
ヘイトスピーチによる行動が広がらない理由は、街宣右翼やヘイトスピーチ集団が日本人の本来の感性である調和の心とは異質な感情を放っているからです。
憎悪感情ではなく事実の指摘を
社会の問題は、その事実を指摘することが大切です。憎悪や攻撃性を込めた言葉はヘイトスピーチになり、世論の共感を得られないのです。それどころか、反体制活動の人々に口実を与え、結果的に彼らを利してしまうことになります。
社会の不正を取り除くために言葉を発するのであれば、堂々と事実に基づいた論陣を張るべきです。
また、ネット上の表現にしても、匿名ではなく自らの言葉の責任の所在を明確にすべきです。
表現の自由ということ
ヘイトスピーチに表現の自由は求められません。
大阪市議会では賛成討論中に、傍聴席からカラーボールが投げ込まれました。投げ込んだ男は「表現の自由を守れ」と叫んでいたたようですが、このような暴力行為が表現の自由のはずがありません。この論理は反体制マスコミと同じ論理です。自らの言論に責任を持たない者たちが使う論理です。言論や表現の自由には責任を取るという潔さがあって初めて保障されるものです。
テロを無くすにはヘイトスピーチの根絶から
ヘイトスピーチはテロリズムの温床です。西欧社会とイスラム教世界、またイスラム教内部でのテロの横行は、1000年近くに及ぶ国家同士のヘイトスピーチによるものです。自らの内政問題を隠すために外部に敵をつくり、国民の憎悪感情を外敵に向けさせました。これが憎しみの連鎖を引き起こし、押さえつけられている側がテロ行為に走ります。テロや紛争を止めるには、憎しみを増幅させるヘイトスピーチを国家からも国民からも無くさなければなりません。
安倍政権と野党各党はヘイトスピーチの規制に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
日本が国際社会に先駆けてヘイトスピーチを無くすことは、これからのリーダー国としての責務であると思います。
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