コラム(133):政治に新しい風
1月27日の衆議院での代表質問に立ったおおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は冒頭、「おおさか維新の会は与党でも野党でもない、政策提案型責任政党として国民本位の政策の提案を行い、政治に新しい風をつくりあげる。」と宣言しました。さらに、選挙に勝つために理念を捨てて野合した共産党に対し、大阪で自民党を応援した共産党と安倍政権批判を続ける共産党は、どちらが本当の共産党なのかと釘をさす場面もあり、興味深いスタートとなりました。
馬場氏は11項目についての質問をしましたが、そのうち6つはおおさか維新の会の提案となっていました。内容は事務スタッフの作文ではなく、実践に裏付けられた言葉のためわかりやすいものでした。
国会質疑がつまらない理由は、質問者がスタッフの作文を読み上げ、政府側も官僚が作成した答弁書を読んでいたからです。国会は砂をかむような不毛な議論ではなく、誰もが理解できる内容で討論することが望ましいのです。そうすることで、政治への信頼が深まるのではないでしょうか。
提案型責任政党
自らを改憲勢力と位置づけていたおおさか維新の、国際情勢に対する考えが注目されていました。
安保法制に関しては、採決時の民主党の無責任さを糾弾した上で、中国軍艦による尖閣諸島への領海侵犯に対する政府対応を改めて問い、党として「国境防衛法案」を提案すると述べています。
国会の議論の場で、どの政党も中国の領海・領空侵犯問題を口にしなかっただけに、明確に指摘したことは評価に値すると思います。国民に改めて中国の脅威を認識させただけでなく、中国に対する牽制につながると思います。
また、沖縄の基地問題については、国と県の対立は沖縄県民にとって忸怩たる思いだとし、総理と知事が胸襟を開いて協議することを提案しています。
既存の政党は対立を煽って話を破壊しようとするだけですが、この提案は改めて対話を促すという建設的な方向を示した点で新鮮味を感じました。
議会制民主主義
こうしたおおさか維新の正当な質問に対し安倍総理の答弁は、敬意を表した丁寧なものでした。
また、総理の答弁時の野次も少なく、おおさか維新の真摯な質問が、国会によい影響を与えた可能性があります。
国民は、騒がしい野党側の非難に辟易しているので、このような国会での議論は実に意義深いと思います。こうした議論の動きが広がり、国家と国民のために議論する政治家が続々と輩出されることを期待します。
おおさか維新の会の登場は、戦後71年目にして、日本に本当の意味で成熟した議会制民主主義を誕生させたのかもしれません。
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