コラム(127):アメリカ国民の選択は?
イギリス議会はトランプ氏を入国禁止に?
トランプ氏の、イスラム教徒への発言がヘイトスピーチだとして、英国民から国会に57万4000人にのぼる請願書が寄せられました。
これを重要視したイギリスの国会は18日、米大統領選共和党候補のドナルド・トランプ氏の発言を巡り、同氏の英国入国を禁止すべきかどうかについて審議をしました【※1】。
【※1】テュリップ・シディク議員は「悪意に満ちた有害な人物」「その言葉は滑稽でも楽しくもない。その言葉は有害だ。弱い立場に立つ集団の間の緊張をあおる危険がある」と述べた。
労働党のポール・フリン議員は、「理性、もてなし、礼儀正しさで対抗すべきだ」「(入国禁止は)殉教者に祭り上げ、支持者たちを利するだろう」と述べた。
スコットランド国民党のタズミナ・アハメド=シェイク議員は「宗教的調和の観点から入国禁止は正当化される」と述べた。
採決は行われませんでしたが、キャメロン首相は「もし同氏が我が国に来れば、我々は反トランプで結束できるだろう」と述べました。
イギリスの国会は、アメリカ大統領候補に対する入国禁止審議を開催するという前代未聞の事態となったのです。
アメリカの良心とは
アメリカは、いろいろな国の伝統や文化を持つ人によって形成されています。
アメリカに移民する人に対し、如何なる宗教・慣習・文化を強制せず、言語を押し付けない極めて寛容な国家なのです。
アメリカの独立宣言の前文には「全ての人間は平等に造られている」と謳われ、「生命、自由、幸福の追求」の権利を掲げています。
現在でも、アメリカで最も尊敬される歴代大統領はリンカーンであるのです。
アメリカの国民が、自国の利益を守るために他国や他民族を排斥する人物を選ぶのか、それとも「アメリカの心」を選択するのか。
国際社会に最も大きな影響を与える国家の行く末に注目していきたいと思います。
ご参考:アメリカ大統領選に関する当ブログ記事
米大統領選 テッド・クルーズ上院議員に注目 コラム(66)
アメリカ大統領選挙の行方 current topics(127)
米大統領選、共和党候補の行方 コラム(107)
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